多系統萎縮症における睡眠関連疾患の臨床

多系統萎縮症(MSA)は,自律神経障害,パーキンソン症候群,小脳性運動失調などの様々な組み合わせの神経症候を有する,多くは孤発性の成人発症,進行性の神経変性疾患である.睡眠断片化を伴う不眠,睡眠関連呼吸障害,レム睡眠行動異常症,周期性四肢運動などの睡眠関連疾患を合併する.特に,喉頭喘鳴は喉頭レベルで上気道閉塞を反映し,睡眠中の突然死の危険について臨床医に警告する.喉頭喘鳴が睡眠中にのみ発生する場合,CPAP療法が適応となる場合があるが,忍容できないまたは覚醒時に喉頭喘鳴も現れる場合は気管切開を検討する必要がある.正確な診断あるいは治療計画は患者とその介護者への医療の質の向上に貢献できる....

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Published in自律神経 Vol. 58; no. 1; pp. 74 - 78
Main Authors 宮本, 智之, 宮本, 雅之, 沼畑, 恭子, 赤岩, 靖久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本自律神経学会 2021
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ISSN0288-9250
2434-7035
DOI10.32272/ans.58.1_074

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Summary:多系統萎縮症(MSA)は,自律神経障害,パーキンソン症候群,小脳性運動失調などの様々な組み合わせの神経症候を有する,多くは孤発性の成人発症,進行性の神経変性疾患である.睡眠断片化を伴う不眠,睡眠関連呼吸障害,レム睡眠行動異常症,周期性四肢運動などの睡眠関連疾患を合併する.特に,喉頭喘鳴は喉頭レベルで上気道閉塞を反映し,睡眠中の突然死の危険について臨床医に警告する.喉頭喘鳴が睡眠中にのみ発生する場合,CPAP療法が適応となる場合があるが,忍容できないまたは覚醒時に喉頭喘鳴も現れる場合は気管切開を検討する必要がある.正確な診断あるいは治療計画は患者とその介護者への医療の質の向上に貢献できる.
ISSN:0288-9250
2434-7035
DOI:10.32272/ans.58.1_074