渡良瀬遊水地に隣接する沼(合の谷)で採取した底泥コア試料の重金属濃度の鉛直分布と足尾銅山による銅生産履歴の関係

足尾銅山による環境汚染を通史的に検討するため,渡良瀬遊水地に隣接する沼で底泥表層から深度25cm までのコア試料を2本採取して,重金属濃度の鉛直分布を検討した。汚染レベルは,試料の最深層のすぐ上部から増加し始め,中層部と表層付近でピークを示した。コア1では,とくに深度12~14cmと2cm以浅でMn,Cu,Zn,Ag,Cd,Sb,Pb,Biに増加傾向がみられた。このうち第13層ではCu濃度は最大値51.6mg/kgを示した。コア2では,Cu濃度は深度4~10cmと深度15~19cmで高く,後者ではMn,Zn,Ag,Pb濃度も上昇した。こうした変化を足尾銅山の銅生産履歴と比べると,江戸時代末期か...

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Published in環境科学会誌 Vol. 28; no. 1; pp. 3 - 15
Main Authors 尾崎, 宏和, 福士, 謙介, 渡邉, 泉, 一瀬, 寛
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 環境科学会 2015
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