膵全体の腫大をきたし自己免疫性膵炎との鑑別を要した悪性リンパ腫の1例

症例は83歳男性.心窩部のつっぱり感を自覚し当科受診.血中膵酵素の増加とCTにて膵全体のソーセージ様腫大を認め,自己免疫性膵炎(autoimmune pancreatitis:AIP)が疑われ入院となった.ERCPでも膵体部を中心に主膵管の狭細化を認めAIPが強く疑われたが自己抗体,IgG,IgG4の増加を認めず確診にいたらなかった.一旦退院となるも退院2日後より排便困難が出現し再入院.大腸内視鏡で直腸の狭窄と粘膜の浮腫を認め,CTでは膵腫大に加え新たに腹水を認めた.直腸生検にて異型リンパ球の粘膜内浸潤を,また腹水中にも異型リンパ球を認めたため可溶性IL-2レセプター(sIL-2R)を測定し3...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in膵臓 Vol. 21; no. 2; pp. 70 - 75
Main Authors 山口, 裕也, 山縣, 元, 平瀬, 伸尚, 塩崎, 宏, 桑野, 晴夫, 渡辺, 次郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本膵臓学会 25.04.2006
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…