広域災害における生活不活発病(廃用症候群)対策の重要性 介護予防の観点から
生活不活発病(廃用症候群)は生活の不活発化, すなわち「活動」(ICFによる)の質的・量的低下による全身の「心身機能」の低下である. それは「活動」「参加」との間で「悪循環」をおこし進行していく. そのため早期発見・早期対応が重要である. 災害時には環境の大変化によって, 生活不活発病が多発する. とくに高齢者では起りやすい. また災害前から生活が不活発だった人では急激に進む可能性がある. 対策は, 1) 生活の活発化. 2) 難しくなった歩行や身の回り行為に杖類などを用いてただちに対応. 3) 不自由な行為には, すぐ代行するのではなく, 一部介護で自分で行う. 4) 「疲れやすい」症状が出...
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Published in | 医療 Vol. 59; no. 4; pp. 205 - 212 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 国立医療学会
20.04.2005
国立医療学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0021-1699 1884-8729 |
DOI | 10.11261/iryo1946.59.205 |
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Summary: | 生活不活発病(廃用症候群)は生活の不活発化, すなわち「活動」(ICFによる)の質的・量的低下による全身の「心身機能」の低下である. それは「活動」「参加」との間で「悪循環」をおこし進行していく. そのため早期発見・早期対応が重要である. 災害時には環境の大変化によって, 生活不活発病が多発する. とくに高齢者では起りやすい. また災害前から生活が不活発だった人では急激に進む可能性がある. 対策は, 1) 生活の活発化. 2) 難しくなった歩行や身の回り行為に杖類などを用いてただちに対応. 3) 不自由な行為には, すぐ代行するのではなく, 一部介護で自分で行う. 4) 「疲れやすい」症状が出てきている時は1回の量を減らし, 回数多く行う(少量頻回の原則). 5) 病気の時も必要以上の安静をとらない. 6) 家庭内での役割, 社会的役割を果たす. 7) 散歩や体操やスポーツなども大事, などである. 以上いずれもコミュニティ全体として取り組むことが重要である. |
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ISSN: | 0021-1699 1884-8729 |
DOI: | 10.11261/iryo1946.59.205 |