安全にCEAを施行するために 手術手技,周術期管理,術者養成の検討

『はじめに』 近年頚動脈ステント留置術(CAS)の安全性が上昇し, CASの件数が急増している. しかしCASにおける周術期脳梗塞発生率は頚動脈内膜剥離術(CEA)より高いとの報告もあり2)3)9), CEAの必要性は依然として高い. これまで当科では全身麻酔に耐えられない症例を除き全例CEAを第一選択としてきたが, 手術手技, 術前評価, 周術期管理を徹底することで良好な結果を得ている. これらの結果は単一術者によるものではなく, ある一定の基準を超えた者は学年に関係なく手術を施行し得られた結果である. 当科のように多数の医師が執刀する場合には, 優れた手術方法の確立のみでは良好な結果の継続...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 39; no. 4; pp. 257 - 261
Main Authors 吉野, 正紀, 原, 貴行, 湯山, 隆次, 水谷, 徹, 太田, 貴裕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 31.07.2011
日本脳卒中の外科学会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.39.257

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Summary:『はじめに』 近年頚動脈ステント留置術(CAS)の安全性が上昇し, CASの件数が急増している. しかしCASにおける周術期脳梗塞発生率は頚動脈内膜剥離術(CEA)より高いとの報告もあり2)3)9), CEAの必要性は依然として高い. これまで当科では全身麻酔に耐えられない症例を除き全例CEAを第一選択としてきたが, 手術手技, 術前評価, 周術期管理を徹底することで良好な結果を得ている. これらの結果は単一術者によるものではなく, ある一定の基準を超えた者は学年に関係なく手術を施行し得られた結果である. 当科のように多数の医師が執刀する場合には, 優れた手術方法の確立のみでは良好な結果の継続は困難であり, いかに手術を習得し, 安全に実行するかが問題となる. これらを踏まえ当科の安全性の高い手術手技, 手術修練の過程, 周術期管理について報告する. また当科の手術手技などに関してはすでに報告しており5)9)15), 重複を避けるため特に重視していること, また筆者を含めた当科のCEA初心者が重点的に指導されてきたことを記述する.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.39.257