非出血性脳血管解離症例の病態と治療方針 自験68例での検討

画像診断の進歩に伴い, 脳血管解離症例に関する報告は近年増加している. それに伴って臨床像が多岐にわたるうえ, 時間経過によって変化しうることが判明し, 病態や治療法, その成績についてはまだ不明な点が多いことがわかってきた2)7)11)16). 従来, 脳神経外科領域で治療の対象としてきた解離性脳動脈瘤は脳血管解離病変に含まれるものである. また, 治療法については特に非出血例での抗血栓療法や手術適応についてevidenceに基づく見解には至っていないのが現状であり, 脳血管解離例全体でのより多くの症例についての検討が必要とされる. 自験例での経過, 治療法の検討を行った. 対象と方法 19...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in脳卒中の外科 Vol. 33; no. 6; pp. 414 - 421
Main Authors 宇都宮, 昭裕, 西野, 晶子, 上之原, 広司, 佐々木, 啓吾, 桜井, 芳明, 鈴木, 一郎, 鈴木, 晋介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 30.11.2005
日本脳卒中の外科学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.33.414

Cover

More Information
Summary:画像診断の進歩に伴い, 脳血管解離症例に関する報告は近年増加している. それに伴って臨床像が多岐にわたるうえ, 時間経過によって変化しうることが判明し, 病態や治療法, その成績についてはまだ不明な点が多いことがわかってきた2)7)11)16). 従来, 脳神経外科領域で治療の対象としてきた解離性脳動脈瘤は脳血管解離病変に含まれるものである. また, 治療法については特に非出血例での抗血栓療法や手術適応についてevidenceに基づく見解には至っていないのが現状であり, 脳血管解離例全体でのより多くの症例についての検討が必要とされる. 自験例での経過, 治療法の検討を行った. 対象と方法 1998年1月から2003年12月に仙台医療センター脳卒中センターにて入院加療を行った非外傷性脳血管解離86例のうち, 非出血性68例(男性54例, 女性14例, 27-80歳, 平均55.1歳)を対象とした. 脳血管解離の診断は, digital subtraction angiography(DSA)およびMRIを全例で施行し, DSAにてdouble lumen, pearl and string sign, string signの認められた場合, あるいはMRIにてdouble lumen, intimal flabが認められた場合とし, DSAおよびMRI所見を総合的に判定した.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.33.414