尿崩症を伴つたhistiocytosis Xの1例

自然気胸,口渇,多尿等を主訴としたhistiocytosis Xと尿崩症の合併例につき報告した.症例は25才の男性で,24才の時左側気胸,その約1年後に口渇,多尿等に気づき,胸部X線像ではいわゆるhoney comb lungの縁を呈し,頭蓋骨に小さなpunched out lesioaを認め,肺生検によりhistiocytosi Xが最も考えられた.また多尿は1日尿量101を越え,Pitressin test陽性,水制限,高張食塩水投与には無反応で,Vasopressin感受性尿崩症と診断された.肺病変に対してはsteroidを投与したがほとんど無効,尿崩症に対してはchlorpropami...

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Published in日本内科学会雑誌 Vol. 60; no. 2; pp. 125 - 131
Main Authors 大塚, 健作, 岩永, 敦, 横内, 章, 籠手, 田恒敏, 中村, 憲章, 中口, 規彦, 原, 耕平
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 1971
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Summary:自然気胸,口渇,多尿等を主訴としたhistiocytosis Xと尿崩症の合併例につき報告した.症例は25才の男性で,24才の時左側気胸,その約1年後に口渇,多尿等に気づき,胸部X線像ではいわゆるhoney comb lungの縁を呈し,頭蓋骨に小さなpunched out lesioaを認め,肺生検によりhistiocytosi Xが最も考えられた.また多尿は1日尿量101を越え,Pitressin test陽性,水制限,高張食塩水投与には無反応で,Vasopressin感受性尿崩症と診断された.肺病変に対してはsteroidを投与したがほとんど無効,尿崩症に対してはchlorpropamideとthiazide系利尿薬の併用にて良好なコントロールを得た.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.60.125