吸収性縫合糸によるePTFE人工血管吻合の検討
吸収性縫合糸polydioxanon (PDS) 糸をePTFE人工血管のイヌ腹部大動脈移植に用い, 吻合部の治癒状況を検討した。対照にはpolypropylene (PP) 糸を用いた。PDS使用吻合部では, 移植後5ヵ月より縫合糸の宿主圧迫所見である硝子様変性が消失し始め, 7ヵ月で完全に消失したが, ePTFEのporosity圧迫像は8ヵ月までの観察では消失しなかった。移植後2年ではePTFEのporosityも一部回復し, 良好な治癒が達成された。ePTFEの吻合部内膜肥厚を減少させる一助として吸収性縫合糸の有効性が示唆された。...
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Published in | 人工臓器 Vol. 19; no. 3; pp. 1310 - 1313 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本人工臓器学会
1990
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0300-0818 1883-6097 |
DOI | 10.11392/jsao1972.19.1310 |
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Summary: | 吸収性縫合糸polydioxanon (PDS) 糸をePTFE人工血管のイヌ腹部大動脈移植に用い, 吻合部の治癒状況を検討した。対照にはpolypropylene (PP) 糸を用いた。PDS使用吻合部では, 移植後5ヵ月より縫合糸の宿主圧迫所見である硝子様変性が消失し始め, 7ヵ月で完全に消失したが, ePTFEのporosity圧迫像は8ヵ月までの観察では消失しなかった。移植後2年ではePTFEのporosityも一部回復し, 良好な治癒が達成された。ePTFEの吻合部内膜肥厚を減少させる一助として吸収性縫合糸の有効性が示唆された。 |
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ISSN: | 0300-0818 1883-6097 |
DOI: | 10.11392/jsao1972.19.1310 |