CT所見からみた脳卒中患者の下肢機能のRehabilitation Potentialの検討
脳卒中による片麻痺に対するRehabilitation PotentialとCT所見について検討をおこなつた. 対象者は, 国立療養所福岡東病院及び福岡大学内科に入院した28例であつた. CT所見で異常がみられたのは96.4%, その異常所見は, X線低吸収域を示した症例が全体の89.3%, 脳室拡大が57.1%及び大脳皮質萎縮が32.1%であつた. CT所見で異常がみられた症例で, 実用歩行で退院したのは, X線低吸収域の部位別では基底核・視床部に限局したものの66.7%, 基底核・視床とその同側大脳半球の33.3%, 単一大脳葉では50.0%, 傍側脳室や傍側脳室と同側大脳半球では, 20...
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Published in | 医療 Vol. 33; no. 6; pp. 585 - 591 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 国立医療学会
1979
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ISSN | 0021-1699 1884-8729 |
DOI | 10.11261/iryo1946.33.585 |
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Summary: | 脳卒中による片麻痺に対するRehabilitation PotentialとCT所見について検討をおこなつた. 対象者は, 国立療養所福岡東病院及び福岡大学内科に入院した28例であつた. CT所見で異常がみられたのは96.4%, その異常所見は, X線低吸収域を示した症例が全体の89.3%, 脳室拡大が57.1%及び大脳皮質萎縮が32.1%であつた. CT所見で異常がみられた症例で, 実用歩行で退院したのは, X線低吸収域の部位別では基底核・視床部に限局したものの66.7%, 基底核・視床とその同側大脳半球の33.3%, 単一大脳葉では50.0%, 傍側脳室や傍側脳室と同側大脳半球では, 20.0%であつた. 脳室拡大では37.5%, 大脳皮質萎縮では22.2%であつた. このように, 単に基底核・視床に病巣が限局する症例ではなく, 大脳皮質から傍側脳室にかけての部位に障害が認められる場合, 下肢機能のRehabilitation Potentialが低下しやすいのではないかと想像される. |
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ISSN: | 0021-1699 1884-8729 |
DOI: | 10.11261/iryo1946.33.585 |