高脂肪食投与ラットを用いた亜鉛(II)錯体の抗肥満作用に関する研究
近年, 肥満, 高脂血症, 糖尿病など, いわゆる生活習慣病が問題となっているが, 中でも糖尿病患者は増加の一途をたどっている. 糖尿病患者増加の世界的な傾向は, 糖尿病の中でもその大半を占める2型糖尿病が, 人口の高齢化や車社会に暮らす現代人の慢性的運動不足と, 人類の歴史がかつて経験したことが無い程の飽食時代を反映した結果とも言える肥満の問題, さらに複雑な現代社会に暮らす現代人の宿命とも言える種々のストレス等が原因の主たるものと考えられている[1]. 吉川, 小嶋らは, 糖尿病の予防と治療を目指し, 亜鉛のインスリン様活性に注目し, 亜鉛(II)錯体を種々の配位子を用いて開発してきた....
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Published in | BIOMEDICAL RESEARCH ON TRACE ELEMENTS Vol. 16; no. 4; pp. 341 - 343 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本微量元素学会
2005
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ISSN | 0916-717X 1880-1404 |
DOI | 10.11299/brte.16.341 |
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Summary: | 近年, 肥満, 高脂血症, 糖尿病など, いわゆる生活習慣病が問題となっているが, 中でも糖尿病患者は増加の一途をたどっている. 糖尿病患者増加の世界的な傾向は, 糖尿病の中でもその大半を占める2型糖尿病が, 人口の高齢化や車社会に暮らす現代人の慢性的運動不足と, 人類の歴史がかつて経験したことが無い程の飽食時代を反映した結果とも言える肥満の問題, さらに複雑な現代社会に暮らす現代人の宿命とも言える種々のストレス等が原因の主たるものと考えられている[1]. 吉川, 小嶋らは, 糖尿病の予防と治療を目指し, 亜鉛のインスリン様活性に注目し, 亜鉛(II)錯体を種々の配位子を用いて開発してきた. さらに, 吉川, 小嶋らの開発した亜鉛(II)錯体は, 実験動物において, 腹腔内投与により血糖値降下作用を示すことも報告し, それらの高いインスリン様活性とその作用メカニズムについて, 数多くの報告をまとめている[2-7]. 今回は, この高いインスリン様作用を生かして, 脂質代謝の亢進が期待できる配位子を選択することにより作成した亜鉛(II)錯体の抗肥満効果の検討を行った. |
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ISSN: | 0916-717X 1880-1404 |
DOI: | 10.11299/brte.16.341 |