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研究における胎児の扱いに関する考察 “被験者としての胎児”という概念について
妊婦への介入は母胎内の胎児に様々な形で影響するにもかかわらず、その影響がよくわかっていないものが少なくないため、本来的には胎児を対象とした医学的な研究が必要である。しかしながら、国内外において、研究に巻き込まれる胎児をどのように扱うべきかについての議論はいまだ十分とは言えない。そこで、本稿で は、1) 現在の国内外の研究倫理指針上で、胎児がどのように扱われているのかを確認した上で、2) 胎児が関わりうる研究の類型化を行い、3) 少なくともその中の一部の研究において胎児を被験者として扱うべき研究が存在することを確認した。その上で、4) 胎児を被験者として扱う場合の実践的な含意について論じた。結...
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Published in | 生命倫理 Vol. 32; no. 1; pp. 30 - 38 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本生命倫理学会
28.09.2022
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1343-4063 2189-695X |
DOI | 10.20593/jabedit.32.1_30 |
Cover
Summary: | 妊婦への介入は母胎内の胎児に様々な形で影響するにもかかわらず、その影響がよくわかっていないものが少なくないため、本来的には胎児を対象とした医学的な研究が必要である。しかしながら、国内外において、研究に巻き込まれる胎児をどのように扱うべきかについての議論はいまだ十分とは言えない。そこで、本稿で は、1) 現在の国内外の研究倫理指針上で、胎児がどのように扱われているのかを確認した上で、2) 胎児が関わりうる研究の類型化を行い、3) 少なくともその中の一部の研究において胎児を被験者として扱うべき研究が存在することを確認した。その上で、4) 胎児を被験者として扱う場合の実践的な含意について論じた。結 果的には、胎児自身の健康に関連する目的で妊婦に介入する研究と胎児自身の健康に関連する目的で胎児自身 に介入する研究については、“被験者としての胎児” という概念を導入することができるが、この場合に検討す べき課題が様々にあることを示した。 |
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ISSN: | 1343-4063 2189-695X |
DOI: | 10.20593/jabedit.32.1_30 |