シリコン基板にスパッタ蒸着したアルミニウム薄膜中の超微量水素の定量
シリコンウエハー基板上にスパッタ蒸着されたアルミニウム薄膜中の超微量水素の定量方法を四重極質量分析計を用いた昇温抽出法にて検討した.標準試料として,既知量の水素を含有するフェロチタン粒を用い,検量線を昇温抽出曲線のピーク面積と水素量との関係から作成した.試料はバックグラウンド水素の影響を考慮して,蒸着膜厚0.54μm及び1.13μmの膜厚の異なる2種類のアルミニウム蒸着シリコンウエハーを用い,膜厚の差から蒸着アルミニウム薄膜中の水素量を求めた.試料は圧力10-7 Torr以下の分析装置内で赤外線加熱炉を用いて,12℃/minで室温から1000℃まで加熱した.本実験の結果から,信頼性,再現性のあ...
Saved in:
Published in | 分析化学 Vol. 39; no. 10; pp. 553 - 558 |
---|---|
Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本分析化学会
1990
|
Online Access | Get full text |
ISSN | 0525-1931 |
DOI | 10.2116/bunsekikagaku.39.10_553 |
Cover
Summary: | シリコンウエハー基板上にスパッタ蒸着されたアルミニウム薄膜中の超微量水素の定量方法を四重極質量分析計を用いた昇温抽出法にて検討した.標準試料として,既知量の水素を含有するフェロチタン粒を用い,検量線を昇温抽出曲線のピーク面積と水素量との関係から作成した.試料はバックグラウンド水素の影響を考慮して,蒸着膜厚0.54μm及び1.13μmの膜厚の異なる2種類のアルミニウム蒸着シリコンウエハーを用い,膜厚の差から蒸着アルミニウム薄膜中の水素量を求めた.試料は圧力10-7 Torr以下の分析装置内で赤外線加熱炉を用いて,12℃/minで室温から1000℃まで加熱した.本実験の結果から,信頼性,再現性のある検量線が作成され,蒸着アルミニウム薄膜中に異なる状態で含有される2種の水素を状態別に定量することができた.6.00cm2×0.59μmの蒸着アルミニウム薄膜から,3.6×1015個の水素分子が510~630℃において抽出され,18×1015個の水素分子が610~810℃に抽出された.これはそれぞれ約13ppmと約6ppmに相当する. |
---|---|
ISSN: | 0525-1931 |
DOI: | 10.2116/bunsekikagaku.39.10_553 |