新キノロン系抗菌薬fleroxacinのウサギ感染モデルにおける組織移行に関する研究
Fleroxacin (FLRX) 20mg/kgを健常および顎骨感染ウサギに経口投与した時の本剤の組織移行について検討した。顎骨感染ウサギはStreptococcus milleriとBacteroides fragilisを下顎骨内に複合感染させて作製した。 1. FLRXを経口投与後の血清中のTmaxは感染群1.47時間, 健常群は1.28時間, Cmaxはそれぞれ3.55μg/ml, 3.23μg/mlであった。 2. 組織については, 感染群ではTmaxは1.62~2.14時間, Cmaxは2.01~6.21μg/gであった。とくに顎下リンパ節や耳下腺・顎下腺などの腺組織は高い移行で...
Saved in:
Published in | 日本化学療法学会雑誌 Vol. 43; no. 10; pp. 903 - 906 |
---|---|
Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本化学療法学会
25.10.1995
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1340-7007 1884-5886 |
DOI | 10.11250/chemotherapy1995.43.903 |
Cover
Summary: | Fleroxacin (FLRX) 20mg/kgを健常および顎骨感染ウサギに経口投与した時の本剤の組織移行について検討した。顎骨感染ウサギはStreptococcus milleriとBacteroides fragilisを下顎骨内に複合感染させて作製した。 1. FLRXを経口投与後の血清中のTmaxは感染群1.47時間, 健常群は1.28時間, Cmaxはそれぞれ3.55μg/ml, 3.23μg/mlであった。 2. 組織については, 感染群ではTmaxは1.62~2.14時間, Cmaxは2.01~6.21μg/gであった。とくに顎下リンパ節や耳下腺・顎下腺などの腺組織は高い移行であった。 3.歯性感染症の惹起される部位である上顎骨, 下顎骨の本剤のCmaxの対血清比はそれぞれ57%, 61%であり, 他の系列の抗菌剤より高い移行がみられた。また, 感染部位から得られた膿汁については, Cmaxは3.08μg/mlであり, 血清の約90%の良好な移行がみられた。 4. パイオアッセイ法にて測定した値のほうが全般にHPLC法にて測定したものより高値であった。 |
---|---|
ISSN: | 1340-7007 1884-5886 |
DOI: | 10.11250/chemotherapy1995.43.903 |