単身赴任者の食生活調査 仙台市における事例
無作為に選んだ仙台市内の単身赴任者168名に, 食生活状況を中心として調査を実施したところ, 次の結果を得た。 1) 仙台市内の単身赴任者は関東地方からが多く (東京, 神奈川等), 赴任年数は3年が多かった。年齢は40歳代以上が80%を占め, 全員が男性である。 2) 赴任地において常に配慮している点は, 家族の問題に関して, 40歳代が“子どもの教育”, 50歳代以上では“家族の健康”であり, 自分自身の問題に関しては全ての年代が“健康”である。 3) 単身赴任の日常生活において, 最も苦労しているのは食生活であった。 4) 単身赴任者の60%が規則的に食事を摂取し, 不規則者は夕食に多く...
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Published in | 栄養学雑誌 Vol. 44; no. 3; pp. 119 - 130 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | English Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
1986
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0021-5147 1883-7921 |
DOI | 10.5264/eiyogakuzashi.44.119 |
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Summary: | 無作為に選んだ仙台市内の単身赴任者168名に, 食生活状況を中心として調査を実施したところ, 次の結果を得た。 1) 仙台市内の単身赴任者は関東地方からが多く (東京, 神奈川等), 赴任年数は3年が多かった。年齢は40歳代以上が80%を占め, 全員が男性である。 2) 赴任地において常に配慮している点は, 家族の問題に関して, 40歳代が“子どもの教育”, 50歳代以上では“家族の健康”であり, 自分自身の問題に関しては全ての年代が“健康”である。 3) 単身赴任の日常生活において, 最も苦労しているのは食生活であった。 4) 単身赴任者の60%が規則的に食事を摂取し, 不規則者は夕食に多くみられた。 5) 食事作りに携わっているのは, 中高年齢層に多くみられた。 6) 摂食の量は中高年齢層ほど“腹8分目”を心がけている。 7) 偏食をしない者は68%であり, 偏食者は各年代に存在し, 長年の食習慣を改めるのは困難にみうけられた。 8) 食品群別摂取状況をみると, 米, 小麦製品は全ての年代が毎日摂取しており, 魚肉類, 卵, 大豆類は若年齢層ほど摂取頻度が高い。油脂類は中高年齢層ほど摂取頻度が低く, 若年齢層と比較して差がみられた。緑黄色野菜は淡色野菜に比較して, いずれの年齢層においても摂取頻度が低かった。牛乳, 小魚類, 海藻類は中高年齢層に摂取頻度が高かった。 9) 嗜好品の摂取頻度は, 酒は中高年齢層に, コーヒーは若年齢層に高く, タバコは30歳代に高く, 年代別特色がみられた。 10) 単身赴任後は“太る”傾向にあり, 原因は, アルコール飲料の摂取量, 食事量等の増加, 運動不足, 食事の節制ができない, 等の理由であった。 |
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ISSN: | 0021-5147 1883-7921 |
DOI: | 10.5264/eiyogakuzashi.44.119 |