顎関節検査に伴う患者のX線被曝 皮膚線量の測定

顎関節検査時のX線被曝について, 造影透視, 単純透視さらに同時に施行した造影断層時, および単純断層の皮膚線量を, 熱蛍光線量計素子 (TLD) を用いて測定した。 X線装置として, 透視装置である東芝社製X線テレビシステムSXT-60, および断層撮影装置としてPhilips社製多軌道断層装置Polytome-Uを使用した。被検者は臨床的に顎関節症のIII型とIV型が疑われ, 当科に診断を依頼された37名 (男性10名, 女性27名) の50関節 (造影透視17関節, 単純透視19関節, 造影断層9関節, 単純断層5関節) である。線量の測定部位は両側の顎関節部, 両側の眼窩下部および甲状...

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Published in日本顎関節学会雑誌 Vol. 10; no. 2; pp. 391 - 397
Main Authors 鈴木, ひとみ, 岩井, 一男, 江島, 堅一郎, 本田, 和也, 澤田, 久仁彦, 橋本, 光二, 篠田, 宏司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本顎関節学会 20.09.1998
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ISSN0915-3004
1884-4308
DOI10.11246/gakukansetsu1989.10.391

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Summary:顎関節検査時のX線被曝について, 造影透視, 単純透視さらに同時に施行した造影断層時, および単純断層の皮膚線量を, 熱蛍光線量計素子 (TLD) を用いて測定した。 X線装置として, 透視装置である東芝社製X線テレビシステムSXT-60, および断層撮影装置としてPhilips社製多軌道断層装置Polytome-Uを使用した。被検者は臨床的に顎関節症のIII型とIV型が疑われ, 当科に診断を依頼された37名 (男性10名, 女性27名) の50関節 (造影透視17関節, 単純透視19関節, 造影断層9関節, 単純断層5関節) である。線量の測定部位は両側の顎関節部, 両側の眼窩下部および甲状腺部とした。その結果は, 下記に示すとおりである。 1) 造影透視時, 1検査あたりの透視時間は, 1.6-4.1分の間であった。また, その際の被曝線量は, 対象側の顎関節部の皮膚線量で0.58-2.88mGyであった。単純透視のみの場合は透視時間は1.0-1.5分であり, 同じく皮膚線量は0.15-0.24mGyであった。 2) X線透視時の入射部位における皮膚線量は, phantomによる実験から1分間あたり6.43mGyであった。 3) 造影断層時の入射側に位置付けた対象側の顎関節部の皮膚線量は15.6mGyであった。造影透視における被曝については, 入射側の顎関節部は照射野内に入る場合と入らない場合があり大きく異なる値を示した。 4) 単純断層撮影については, X線入射側の顎関節部の皮膚線量は, 13.6mGyであった。
ISSN:0915-3004
1884-4308
DOI:10.11246/gakukansetsu1989.10.391