非接触型センサーを用いた胸腹部運動のモニタリング - 換気量予測式の検討
「要旨」【はじめに】テープメジャーを用いた呼吸運動時の胸郭拡張差測定は, 肺活量を予測する指標として理学療法場面で使用される. しかしながら, リアルタイムでの動的な測定や1回換気量のような軽微な胸郭運動の測定は困難である. 本研究の目的は新たに開発した非接触型センサーによる胸腹部運動測定が換気量と関連するか調査し, 換気量予測式を検討することである. 【方法】対象は健常大学生52名. 測定肢位は背臥位とし, テープメジャーと非接触型距離センサーにて剣状突起高と第10肋骨高の胸腹部運動の測定と, 同姿勢でスパイロメーターを用いて肺活量, 1回換気量の測定を行った. 統計処理には肺活量, 1回換...
Saved in:
Published in | 大和大学研究紀要 保健医療学部編 Vol. 10; pp. 1 - 6 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
大和大学
15.03.2024
|
Online Access | Get full text |
ISSN | 2432-5597 |
Cover
Loading…
Summary: | 「要旨」【はじめに】テープメジャーを用いた呼吸運動時の胸郭拡張差測定は, 肺活量を予測する指標として理学療法場面で使用される. しかしながら, リアルタイムでの動的な測定や1回換気量のような軽微な胸郭運動の測定は困難である. 本研究の目的は新たに開発した非接触型センサーによる胸腹部運動測定が換気量と関連するか調査し, 換気量予測式を検討することである. 【方法】対象は健常大学生52名. 測定肢位は背臥位とし, テープメジャーと非接触型距離センサーにて剣状突起高と第10肋骨高の胸腹部運動の測定と, 同姿勢でスパイロメーターを用いて肺活量, 1回換気量の測定を行った. 統計処理には肺活量, 1回換気量と各測定項目の相関係数を求めた. さらに肺活量, 1回換気量を目的変数とし, 相関があった項目を説明変数として重回帰分析を行った. 有意水準は5%未満とした. 【結果】肺活量予測式は非接触型距離センサーによる測定では, 性別, 剣状突起高, 第10肋骨高が抽出された (調整済みR2=0.839). テープメジャーを用いた測定では, 性別, 剣状突起高が抽出された (調整済みR2=0.800). 1回換気量測定では, テープメジャーでは測定困難であったが, 非接触型距離センサーでは剣状突起高, 第10肋骨高が抽出され, 良好に予測可能であった (調整済みR2=0.505). 【結論】非接触型距離センサーはテープメジャーよりも肺活量, 一回換気量を精度高く予測可能であった. |
---|---|
ISSN: | 2432-5597 |