Whole-body MRIによる転移性前立腺がんの腫瘍量定量化の課題と今後の展望
「抄録」 : 転移性前立腺がんの画像診断は従来, CT検査や骨シンチグラフィが主体であった. 近年, Whole-body magnetic resonance imaging (MRI) の, 転移性前立腺がんの転移巣評価における有用性が報告され, すでに臨床応用もされている. Whole-body MRIでは拡散強調画像によって溶骨性転移の正確な評価が可能であるため, 転移性前立腺がんの骨転移巣検索において, 従来の画像診断技術と比較して正確な骨転移診断が可能である. また, Whole-body MRIを用いた腫瘍量定量化の有用性も報告されつつあるが, 赤色髄の除外など, 臨床応用のため...
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Published in | 西日本泌尿器科 Vol. 85; no. 1; pp. 1 - 6 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本泌尿器科学会
01.10.2022
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ISSN | 0029-0726 |
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Summary: | 「抄録」 : 転移性前立腺がんの画像診断は従来, CT検査や骨シンチグラフィが主体であった. 近年, Whole-body magnetic resonance imaging (MRI) の, 転移性前立腺がんの転移巣評価における有用性が報告され, すでに臨床応用もされている. Whole-body MRIでは拡散強調画像によって溶骨性転移の正確な評価が可能であるため, 転移性前立腺がんの骨転移巣検索において, 従来の画像診断技術と比較して正確な骨転移診断が可能である. また, Whole-body MRIを用いた腫瘍量定量化の有用性も報告されつつあるが, 赤色髄の除外など, 臨床応用のためには課題も残されている. 赤色髄は転移性前立腺がんの骨転移巣検索の際に, 骨転移との鑑別において最も重要な非悪性腫瘍性領域である. これらは拡散強調画像のみでの鑑別難であるため, T1強調画像のin-phase/opposed-phaseを撮像し, 比較する必要がある. われわれは拡散強調画像と共に, T1強調画像のin-phase/opposed-phaseも同時に解析し, 赤色髄を自動で除外して腫瘍量をより正確に定量化するソフトウェアを開発した. 今後, Whole-body MRIによる腫瘍量定量化の実臨床への応用が期待される. |
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ISSN: | 0029-0726 |