暑熱環境下での一過性走運動による甘味嗜好性変化のパターンと栄養素等摂取量との関わり

「緒言」身体活動のエネルギー基質は筋に蓄積されたグリコーゲンであり, 特に最大酸素摂取量近くで競技するハイパワー系種目や高強度の身体活動では筋グリコーゲンに活動のエネルギーを依存する割合が高く1,2), 筋グリコーゲン蓄積量の多い選手ほど筋および全身持久力が高い3)ことが明らかにされた. そして, 試合前により多くの筋グリコーゲンを蓄積させる, カーボローディング法4)と呼ばれる食事法が開発されることとなった. さらに, 筋グリコーゲンの回復における炭水化物の摂取タイミングについても議論され, 練習直後のできるだけ早い時期がよい5)とか, 24時間以内でよい6)といった報告がある. このように...

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Published in栄養学雑誌 Vol. 65; no. 3; pp. 135 - 141
Main Authors 秋山嘉子, 目加田優子, 塩澤信良, 林かほり, 高橋律子, 平田治美, 君羅満, 樫村修生, 川野因
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本栄養改善学会 01.06.2007
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ISSN0021-5147

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Summary:「緒言」身体活動のエネルギー基質は筋に蓄積されたグリコーゲンであり, 特に最大酸素摂取量近くで競技するハイパワー系種目や高強度の身体活動では筋グリコーゲンに活動のエネルギーを依存する割合が高く1,2), 筋グリコーゲン蓄積量の多い選手ほど筋および全身持久力が高い3)ことが明らかにされた. そして, 試合前により多くの筋グリコーゲンを蓄積させる, カーボローディング法4)と呼ばれる食事法が開発されることとなった. さらに, 筋グリコーゲンの回復における炭水化物の摂取タイミングについても議論され, 練習直後のできるだけ早い時期がよい5)とか, 24時間以内でよい6)といった報告がある. このように筋グリコーゲン蓄積量と炭水化物摂取量との間には密接な関わりがあり, 炭水化物摂取量の多い選手ほど筋グリコーゲン蓄積量が多く3), スポーツ選手における炭水化物の摂り方7)が競技力向上や疲労回復の観点から重要となっている. また, 身体活動中の水分・電解質の適切な補給も重要とされている7~9).
ISSN:0021-5147