象牙質と4-META/MMA-TBBレジンの長期水中浸漬後の微小引張り接着強さにおける試作表面処理材の効果
本研究は, 4-META/MMA-TBBレジンと象牙質の長期水中浸漬後の接着強さに対する試作表面処理材の効果について検討することを目的とした.試作表面処理材は, 10wt%アスコルビン酸と5wt%の塩化第二鉄 (AS-FE) の水溶液である.ヒト大臼歯の象牙質を露出させ平面にした.象牙質を40wt%リン酸, 10wt%次亜塩素酸ナトリウム, そして, AS-FEの順に表面処理した (Exp).コントロールとして, 10wt%クエン酸と3wt%塩化第二鉄を含有する表面処理材を使用した (10-3).前処理した象牙質表面とレジン棒を4-META/MMA-TBBレジンで接着した.24時間, 12,...
Saved in:
Published in | 接着歯学 Vol. 25; no. 3; pp. 217 - 222 |
---|---|
Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本接着歯学会
15.12.2007
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0913-1655 2185-9566 |
DOI | 10.11297/adhesdent1983.25.217 |
Cover
Summary: | 本研究は, 4-META/MMA-TBBレジンと象牙質の長期水中浸漬後の接着強さに対する試作表面処理材の効果について検討することを目的とした.試作表面処理材は, 10wt%アスコルビン酸と5wt%の塩化第二鉄 (AS-FE) の水溶液である.ヒト大臼歯の象牙質を露出させ平面にした.象牙質を40wt%リン酸, 10wt%次亜塩素酸ナトリウム, そして, AS-FEの順に表面処理した (Exp).コントロールとして, 10wt%クエン酸と3wt%塩化第二鉄を含有する表面処理材を使用した (10-3).前処理した象牙質表面とレジン棒を4-META/MMA-TBBレジンで接着した.24時間, 12, 18, 24, 30カ月間水中浸漬した後に, 微小引張り接着強さを求めた.その結果, 平均微小引張り強さは, すべての浸漬期間において, Expが10-3のグループよりも統計的に有意に高い値を示した.また, Expは30カ月の長期水中浸漬後も接着強さが低下しなかったが, 10-3では, 24時間に比べて12~30カ月で有意な低下が認められた.本結果から, AS-FE表面処理材を, リン酸および次亜塩素酸ナトリウムと組み合わせて用いることにより, 4-META/MMA-TBBレジンとヒト象牙質の接着耐久性が改善されることが示唆された. |
---|---|
ISSN: | 0913-1655 2185-9566 |
DOI: | 10.11297/adhesdent1983.25.217 |