新キノロン系抗菌薬gatifloxacinの高速液体クロマトグラフィーによる体液内濃度測定法

新キノロン系抗菌薬であるgatifloxacin (GFLX) の血漿及び尿中濃度について, 高速液体クロマトグラフィー (HPLC) による分析法をそれぞれ確立した。血漿についての方法は, カラムスイッチングシステムを用い, BSA-ODSカラムによるon-line除蛋白とODSカラムによる分離後に蛍光モニターにより検出するものである。尿についての方法は, ODSカラムによる分離後に蛍光モニターにより検出するものである。血漿及び尿試料は内標準 (AM-1202) を加え混合した後に, その一部を直接HPLCシステムに注入した。これらの方法では, クロマトグラム上において定量の妨害となるブラン...

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Published in日本化学療法学会雑誌 Vol. 47; no. Supplement2; pp. 104 - 111
Main Authors 岡村, 久也, 石田, 了三, 草嶋, 久生, 草川, 元
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本化学療法学会 27.09.1999
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ISSN1340-7007
1884-5886
DOI10.11250/chemotherapy1995.47.Supplement2_104

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Summary:新キノロン系抗菌薬であるgatifloxacin (GFLX) の血漿及び尿中濃度について, 高速液体クロマトグラフィー (HPLC) による分析法をそれぞれ確立した。血漿についての方法は, カラムスイッチングシステムを用い, BSA-ODSカラムによるon-line除蛋白とODSカラムによる分離後に蛍光モニターにより検出するものである。尿についての方法は, ODSカラムによる分離後に蛍光モニターにより検出するものである。血漿及び尿試料は内標準 (AM-1202) を加え混合した後に, その一部を直接HPLCシステムに注入した。これらの方法では, クロマトグラム上において定量の妨害となるブランクピークは認められず, 検量線は, 血漿で0.05~2.5μg/mL, 尿で0.5~250μg/mLの濃度範囲でそれぞれ良好な直線性を示した。検出及び定量限界は, 血漿でそれぞれ0.01及び0.05μg/mL, 尿でそれぞれ0.1及び0.5μg/mLであった。測定精度及び真度も良好であった。GFLXは, 血漿及び尿, 並びにその分析混合試料中で室温で少なくとも1日間, 血漿及び尿中-40℃で少なくとも3箇月間, 並びに3回の凍結・融解繰り返し時に, いずれも安定であった。これらの方法は臨床検体の分析に適用可能であった。本法は, 分析操作が迅速かつ簡便であり, クロマトグラム及び測定値の再現性も高いことから, 有用な分析法と考えられる。
ISSN:1340-7007
1884-5886
DOI:10.11250/chemotherapy1995.47.Supplement2_104