新キノロン系抗菌薬gatifloxacinのラット, ウサギおよびイヌにおける代謝物の構造決定および定量

新キノロン系抗菌薬であるgatifloxacin (GFLX) のラット, ウサギおよびイヌにおける代謝について検討し, 以下の結果を得た。 1.GFLXを経 [投与後のラット胆汁および尿から, 未変化体, GFLXのエステル型グルクロン酸抱合体 (M-1), 3-メチルピペラジン環の開環した置換基を有するエチレンジアミン体 (M-2), 2-メチルエチレンジアミン体 (M-3) およびアミノ体 (M-4) がそれぞれ同定された。 2. 14Cで標識したGFLX ([14C] GFLX) をラット, ウサギおよびイヌに経口投与後24時間までに, それぞれ99.9, 83.6および70.5%の放...

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Published in日本化学療法学会雑誌 Vol. 47; no. Supplement2; pp. 147 - 160
Main Authors 大家, 毅, 弦巻, 葉子, 多賀, 福太郎, 大久保, 秀夫, 橋本, 秀男, 小室, 正勝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本化学療法学会 27.09.1999
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ISSN1340-7007
1884-5886
DOI10.11250/chemotherapy1995.47.Supplement2_147

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Summary:新キノロン系抗菌薬であるgatifloxacin (GFLX) のラット, ウサギおよびイヌにおける代謝について検討し, 以下の結果を得た。 1.GFLXを経 [投与後のラット胆汁および尿から, 未変化体, GFLXのエステル型グルクロン酸抱合体 (M-1), 3-メチルピペラジン環の開環した置換基を有するエチレンジアミン体 (M-2), 2-メチルエチレンジアミン体 (M-3) およびアミノ体 (M-4) がそれぞれ同定された。 2. 14Cで標識したGFLX ([14C] GFLX) をラット, ウサギおよびイヌに経口投与後24時間までに, それぞれ99.9, 83.6および70.5%の放射能が体外へと排出された。尿および糞中への放射能の排泄の割合は, それぞれ34: 66, 40: 60, 69: 31であった。 3. ラット, ウサギおよびイヌから採取した尿において, 放射能は主にGFLXとして存在し, 尿中へ排泄された放射能の約90%を占めていた。その他にM-1が約3%, M-4が1~2%, M-2およびM-3がそれぞれ約1%検出された。各種の動物問でその代謝パターンに大きな差は見られなかった。 これら動物の糞中では, GFLXが主に存在し, その他にM-2, M-3およびM-4が糞中へ排泄された放射能のそれぞれ1~2%認められた。 4. 胆管カニュレーションを施したラットに [14C] GFLXを経口投与後24時間までに96.1%の放射能が体外に排泄され, 尿, 胆汁および糞中への放射能の排泄の割合は41: 45: 14であった。ラット胆汁中へ排泄された放射能のうち, M-1が54%, GFLXが18%であった。その他, M-2, M-3およびM-4が認められた。 5.[14C] GFLXを経口投与した実験動物において, 投与後24時間までに尿および糞中へ排泄された放射能の中でGFLXとM-1の占める割合は, ラットで82%, ウサギで91%, イヌで89%を示した。 6.[14C] GFLXを経口投与したラットから採取した血清中の放射能は, その大部分がGFLXとして存在した。 7. M-2, M-3およびM-4の抗菌活性は, 多くの菌種でGFLXの1/4~1/256以下であった。
ISSN:1340-7007
1884-5886
DOI:10.11250/chemotherapy1995.47.Supplement2_147