サイトメガロウイルス感染症による頸部リンパ節炎をきたした乳児の1例

頸部腫瘤を主訴に受診した乳児において, サイトメガロウイルス (CMV) 感染症によると考えられた症例を経験したので臨床経過とともに, 文献的考察を加えて報告する。 症例は生後2ヵ月女児。母乳栄養で生育されていたが, 頸部腫瘤を主訴に当科を受診した。炎症反応の上昇, 肝機能障害があり, 両側頸部, および傍大動脈リンパ節腫脹がみられた。このためウイルス検査および免疫機能検査を施行した。サイトメガロウイルス1gM抗体陽性であり, また, CD4 (OKT4-epitope) 比率低下がみられた。 頸部腫瘤の排膿切開を施行し, 黄色ブドウ球菌が検出された。サイトメガロウイルス感染症をきっかけとした...

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Published in耳鼻咽喉科展望 Vol. 39; no. 5; pp. 518 - 522
Main Authors 熊埜御堂, 浩, 獅山, 富美子, 川城, 信子, 土橋, 信明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻咽喉科展望会 15.10.1996
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ISSN0386-9687
1883-6429
DOI10.11453/orltokyo1958.39.518

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Summary:頸部腫瘤を主訴に受診した乳児において, サイトメガロウイルス (CMV) 感染症によると考えられた症例を経験したので臨床経過とともに, 文献的考察を加えて報告する。 症例は生後2ヵ月女児。母乳栄養で生育されていたが, 頸部腫瘤を主訴に当科を受診した。炎症反応の上昇, 肝機能障害があり, 両側頸部, および傍大動脈リンパ節腫脹がみられた。このためウイルス検査および免疫機能検査を施行した。サイトメガロウイルス1gM抗体陽性であり, また, CD4 (OKT4-epitope) 比率低下がみられた。 頸部腫瘤の排膿切開を施行し, 黄色ブドウ球菌が検出された。サイトメガロウイルス感染症をきっかけとした混合感染と考えられた。
ISSN:0386-9687
1883-6429
DOI:10.11453/orltokyo1958.39.518