自動体外式除細動器(AED)が使用され集中治療を受けた連続26例の予後と蘇生後脳症の評価

近年, 自動体外式除細動器(automated external defibrillator; AED)の使用によって院外心停止患者の救命率が上昇している. 一方で, 除細動に成功した患者の心停止後症候群(post-cardiac arrest syndrome; PCAS)の問題が浮上している. 院外でAEDによる除細動が行われ, CCUで加療を受けた連続26例の予後と蘇生後脳症が評価された. AEDは, 現場(一般市民) 5例, 救急車内(救急隊) 16例, 他院(医師) 5例で使用されていた. AEDで除細動に成功したのは20例(77%)で, 残りの6例は搬送後の2次救命処置で除細動され...

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Published in心臓 Vol. 43; no. SUPPL.2; pp. S2_92 - S2_96
Main Authors 米良, 尚晃, 池田, 隆徳, 星田, 京子, 柳澤, 亮爾, 宮越, 睦, 三輪, 陽介, 阿部, 敦子, 石黒, 晴久, 塚田, 雄大, 柚須, 悟, 吉野, 秀朗, 山口, 芳裕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2011
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Summary:近年, 自動体外式除細動器(automated external defibrillator; AED)の使用によって院外心停止患者の救命率が上昇している. 一方で, 除細動に成功した患者の心停止後症候群(post-cardiac arrest syndrome; PCAS)の問題が浮上している. 院外でAEDによる除細動が行われ, CCUで加療を受けた連続26例の予後と蘇生後脳症が評価された. AEDは, 現場(一般市民) 5例, 救急車内(救急隊) 16例, 他院(医師) 5例で使用されていた. AEDで除細動に成功したのは20例(77%)で, 残りの6例は搬送後の2次救命処置で除細動された. 院内死亡は4例(15%)で認められ, このうちの3例はAED不成功例であった. AED除細動後に意識障害を呈したのは13例(50%)であった. このうち12例(46%)で低体温療法が行われたが, 3例(全体の12%)では重度の蘇生後脳症が残存した. 低体温療法などの積極的なPCASに対する治療を行っても, AED使用患者では最終的に死亡もしくは重度の蘇生後脳症に至るのが27%いることが示された. 迅速なAED使用とPCAS治療法の確立が望まれる.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.43.S2_92