NM441の経口徐放性テオフィリン血中濃度に及ぼす影響

プロドラッグ型ニューキノロン系合成抗菌薬NM441のテオフィリン血中濃度に及ぼす影響を5名の健康成人男子ボランティアを用いて検討した。 予め4日間経口徐放性テオフィリン製剤のみを投与して, その血中濃度の定常状態が得られると思われる4日目にコントロールの採血を行った。その翌日よりNM441を5日間1日400mgを併用し, 併用3日目と5日目のテオフィリン血中濃度を測定し, コントロールのそれと比較した。 結果は, 併用時の最高血中濃度 (Cmax), 最高血中濃度到達時間 (Tmax) はコントロールに比べ3日目 (Cmax: 1.21倍, Tmax: 1.48倍), 5日目 (Cmax: 1...

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Published in日本化学療法学会雑誌 Vol. 44; no. Supplement1; pp. 233 - 237
Main Authors 中林, 美枝子, 窪田, 好史, 橋口, 浩二, 二木, 芳人, 宮下, 修行, 副島, 林造, 玉田, 貞雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本化学療法学会 25.03.1996
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ISSN1340-7007
1884-5886
DOI10.11250/chemotherapy1995.44.Supplement1_233

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Summary:プロドラッグ型ニューキノロン系合成抗菌薬NM441のテオフィリン血中濃度に及ぼす影響を5名の健康成人男子ボランティアを用いて検討した。 予め4日間経口徐放性テオフィリン製剤のみを投与して, その血中濃度の定常状態が得られると思われる4日目にコントロールの採血を行った。その翌日よりNM441を5日間1日400mgを併用し, 併用3日目と5日目のテオフィリン血中濃度を測定し, コントロールのそれと比較した。 結果は, 併用時の最高血中濃度 (Cmax), 最高血中濃度到達時間 (Tmax) はコントロールに比べ3日目 (Cmax: 1.21倍, Tmax: 1.48倍), 5日目 (Cmax: 1.24倍, Tmax: 1.52倍) でやや高値を示したが, 有意の差はみられなかった。しかし, 血中濃度曲線下面積 (AUC), 全身クリアランス (ClTB) をコントロールと比較した場合, 併用3日目 (AUC: 1.17倍, CITB: 11.8%の減少) では有意差は認められなかったが, 併用5日目 (AUC: 1.21倍, ClTB: 16.1%の減少) に有意差が認められた。 今回の成績より, NM441はテオフィリンとの併用によりテオフィリンの体内動態に影響を及ぼすものと結論された。しかし, その程度は二木らの分類で第II群に属し, enoxacinなどに比べて極めて軽度であり, ciprofloxacinおよびtosufloxacinとほぼ同程度であった。臨床的副作用はみられなかったが, 1例にGPTの軽度上昇が認められた。
ISSN:1340-7007
1884-5886
DOI:10.11250/chemotherapy1995.44.Supplement1_233