加熱重合型床用レジンと貴金属合金メタルフレームの接着

本報では、4-META含有の接着性加熱重合型レジンと貴金属合金とを接着させるための有効な表面改質法について検討するとともに、貴金属床義歯のフィニッシングライン部における漏洩防止のための方法と問題点について論じた。 1. 接着性加熱重合型レジンに有効な貴金属合金表面改質法は、スズ電析法 (クラエースミニ) とアドロイ改質法であり、優れた接着性はSnOおよびGa2O3の酸化物によってもたらされた.スズ電析法 (クラエース)、シリコーター法、V-プライマー法、メタルプライマー法の4種類の表面改質法においては全く改質効果を示さなかった。 2. フィニッシングライン部に傾斜面形態を付与し、表面改質を施す...

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Published in接着歯学 Vol. 15; no. 1; pp. 54 - 63
Main Authors 小西, 洋次, 平井, 敏博, 大野, 弘機, 荒木, 吉馬, 遠藤, 一彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本接着歯学会 28.02.1997
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ISSN0913-1655
2185-9566
DOI10.11297/adhesdent1983.15.54

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Summary:本報では、4-META含有の接着性加熱重合型レジンと貴金属合金とを接着させるための有効な表面改質法について検討するとともに、貴金属床義歯のフィニッシングライン部における漏洩防止のための方法と問題点について論じた。 1. 接着性加熱重合型レジンに有効な貴金属合金表面改質法は、スズ電析法 (クラエースミニ) とアドロイ改質法であり、優れた接着性はSnOおよびGa2O3の酸化物によってもたらされた.スズ電析法 (クラエース)、シリコーター法、V-プライマー法、メタルプライマー法の4種類の表面改質法においては全く改質効果を示さなかった。 2. フィニッシングライン部に傾斜面形態を付与し、表面改質を施すことによって貴金属床義歯のフィニッシング部における辺縁漏洩を抑制することが可能となった。 3. 重合収縮と熱収縮によって発生した応力の大きさはレジンをも破壊する大きさである。これらの収縮に起因する応力は、金属表面からレジンを剥離させる大きな駆動力となる。
ISSN:0913-1655
2185-9566
DOI:10.11297/adhesdent1983.15.54