食道再建術後の問題点と対策

食道再建術後長期観察例の誤嚥と嚥下機能の関係を食道内圧測定により検討を行った. 当科にて胸部食道癌手術後外来で経過観察中の53例を検査対象とした. 4chマイクロチップ圧トランスデューサーを使用し, station pull-through法により水5ml嚥下時の内圧を, またrapidpull-through法により頸部食道の静止内圧を測定し判定を行った. 水5ml嚥下時の嚥下圧波の先行する陰性波と後続する陽性波の絶対値の比を嚥下圧波とした場合, 検査中に誤嚥を認めた群では10.20±1.30で誤嚥のない群の3.59±0.29に比べて有意に上昇していた. 頸部食道の静止圧測定では, 上部食道...

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 28; no. 10; pp. 2062 - 2066
Main Authors 宮崎, 信一, 村岡, 実, 小出, 義雄, 磯野, 可一, 神津, 照雄, 坂本, 昭雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 1995
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ISSN0386-9768
1348-9372
DOI10.5833/jjgs.28.2062

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Summary:食道再建術後長期観察例の誤嚥と嚥下機能の関係を食道内圧測定により検討を行った. 当科にて胸部食道癌手術後外来で経過観察中の53例を検査対象とした. 4chマイクロチップ圧トランスデューサーを使用し, station pull-through法により水5ml嚥下時の内圧を, またrapidpull-through法により頸部食道の静止内圧を測定し判定を行った. 水5ml嚥下時の嚥下圧波の先行する陰性波と後続する陽性波の絶対値の比を嚥下圧波とした場合, 検査中に誤嚥を認めた群では10.20±1.30で誤嚥のない群の3.59±0.29に比べて有意に上昇していた. 頸部食道の静止圧測定では, 上部食道昇圧帯圧 (UES-P) と吻合部圧の比を頸部食道昇圧帯比とした場合, 誤嚥を認めた群で1.73±0.34で, 誤嚥のない群の0.79±0.17より有意に上昇していた. UESと吻合部間の距離では誤嚥を認めた群では2.2±0.3cmで, 誤嚥のない群の3.7±0.6cmより有意に短かった.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.28.2062