直腸原発malignant rhabdoid tumorの1例
Malignant rhabdoid tumor (以下, MRT と略記) は幼小児期に発生する予後不良な悪性腎腫瘍である. 腎臓以外に発生するMRTは極めてまれであるが, 今回, 我々は直腸原発のMRTを経験したので報告する. 症例は63歳の男性で, 下血を主訴に入院した. 大腸内視鏡検査にて直腸Raに易出血性の1型腫瘍を認め, 腹部CTでは腫瘍の直径は10cm大でリンパ節転移が疑われた. 直腸癌の診断で開腹術を施行した. 腫瘍は膀胱に癒着していたが浸潤は認められなかった. No.253リンパ節に転移を認め, ハルトマン手術を施行した. 肉眼所見はRa, vent, 1型, 径10.0×8...
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Published in | 日本消化器外科学会雑誌 Vol. 38; no. 10; pp. 1630 - 1635 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器外科学会
2005
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0386-9768 1348-9372 |
DOI | 10.5833/jjgs.38.1630 |
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Summary: | Malignant rhabdoid tumor (以下, MRT と略記) は幼小児期に発生する予後不良な悪性腎腫瘍である. 腎臓以外に発生するMRTは極めてまれであるが, 今回, 我々は直腸原発のMRTを経験したので報告する. 症例は63歳の男性で, 下血を主訴に入院した. 大腸内視鏡検査にて直腸Raに易出血性の1型腫瘍を認め, 腹部CTでは腫瘍の直径は10cm大でリンパ節転移が疑われた. 直腸癌の診断で開腹術を施行した. 腫瘍は膀胱に癒着していたが浸潤は認められなかった. No.253リンパ節に転移を認め, ハルトマン手術を施行した. 肉眼所見はRa, vent, 1型, 径10.0×8.4cm, SE, P0, H0, M (-), N3 (+) と診断した. 病理組織学的に腫瘍細胞は核小体が目立ち, 好酸性の広い胞体と偏在した核を持ち, 免疫組織学的にcytokeratinとvimentinに陽性であり, 直腸原発のMRTと診断された. |
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ISSN: | 0386-9768 1348-9372 |
DOI: | 10.5833/jjgs.38.1630 |