岡山南部地域の大気中メタン濃度と土地利用の関係

大気常時監視データを用いて, 岡山県南部におけるメタンの地域発生源の影響を把握するため, 土地利用形態や大気中メタンの季節変動および経年変動について検討した。 大気中メタン濃度は, 日内変動の調査から下層大気の垂直気温減率の日内変動に追随し, 夜間高く日中低い変動を示した。地域間の濃度差は夜間顕著となることから, 同一日の最大濃度に比較的近い3時とバックグラウンド濃度に近いと考えられる15時とのメタン濃度差をメタン日較差とし, 地域発生源の影響を反映した値として解析対象とした。メタン日較差は各測定局から半径3.0kmの土地利用率と最も関連が深く, 7月に極大値を示し水田耕作との関連が認められた...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in大気環境学会誌 Vol. 35; no. 3; pp. 170 - 182
Main Authors 前田, 泉, 山本, 弘捷
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 公益社団法人 大気環境学会 10.05.2000
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:大気常時監視データを用いて, 岡山県南部におけるメタンの地域発生源の影響を把握するため, 土地利用形態や大気中メタンの季節変動および経年変動について検討した。 大気中メタン濃度は, 日内変動の調査から下層大気の垂直気温減率の日内変動に追随し, 夜間高く日中低い変動を示した。地域間の濃度差は夜間顕著となることから, 同一日の最大濃度に比較的近い3時とバックグラウンド濃度に近いと考えられる15時とのメタン濃度差をメタン日較差とし, 地域発生源の影響を反映した値として解析対象とした。メタン日較差は各測定局から半径3.0kmの土地利用率と最も関連が深く, 7月に極大値を示し水田耕作との関連が認められた。1981年から16年間の間に発生した世界的な規模の異常気象が, 岡山県南部のメタン濃度に及ぼしたと考えられる影響を, メタン日較差の月平均値から観測することができた。
ISSN:1341-4178
2185-4335
DOI:10.11298/taiki1995.35.3_170