肝内胆管上皮細胞におけるセクレチンの動態 光顕並びに電顕免疫組織化学法による観察

セクレチンの肝臓での作用部位を明らかにするため,セクレチンを犬の末梢静脈より投与し,経時的に,セクレチンの肝臓での分布,標的細胞での動態を,抗セクレチン抗体を用い,光顕蛍光抗体法及び,光顕・電顕酵素抗体法により観察した.蛍光抗体法では,セクレチン投与3分後ですでに小葉内細胆管から門脈域隔壁胆管にいたるすべての大きさの肝内胆管のbasolateral側の細胞表面にセクレチンの蛍光を認め,大小を問わずすべての大きさの肝内胆管がセクレチンに対するreceptorを有すると考えられた.投与20分後ではlateral側の蛍光は弱くなり,luminal側の細胞表面にも蛍光を認めるようになった.光顕酵素抗体...

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Published in肝臓 Vol. 29; no. 2; pp. 215 - 221
Main Authors 向坂, 彰太郎, 吉武, 正男, 谷川, 久一, 上野, 隆登, 野口, 和典, 権藤, 和久, 安倍, 弘彦, 岩城, 義博, 神代, 龍吉, 釈迦堂, 敏, 犬塚, 貞孝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 25.02.1988
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ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.29.215

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Summary:セクレチンの肝臓での作用部位を明らかにするため,セクレチンを犬の末梢静脈より投与し,経時的に,セクレチンの肝臓での分布,標的細胞での動態を,抗セクレチン抗体を用い,光顕蛍光抗体法及び,光顕・電顕酵素抗体法により観察した.蛍光抗体法では,セクレチン投与3分後ですでに小葉内細胆管から門脈域隔壁胆管にいたるすべての大きさの肝内胆管のbasolateral側の細胞表面にセクレチンの蛍光を認め,大小を問わずすべての大きさの肝内胆管がセクレチンに対するreceptorを有すると考えられた.投与20分後ではlateral側の蛍光は弱くなり,luminal側の細胞表面にも蛍光を認めるようになった.光顕酵素抗体法では,セクレチン投与3分後では蛍光抗体法と同様の結果を得たが,20分後では細胞全体がdiffuseに染色された.電顕酵素抗体法では,20分後ではplasma membraneのみならず,ER,原形質内vesicleが染色された.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.29.215