サッカー選手におけるトレーニング計画と評価について
【トレーニング現場へのアイデア】Jリーグでの試合期では、通常6日間から7日間の間隔で試合 を迎える。試合期のトレーニング計画は週単位で行い、4日間のトレーニングで試合に臨むこ とを理想とするチームが多い。本報告では、試合期での4日間のトレーニングモデルを計画す るにあたりMonotonyを使用し、トレーニング評価、見直しをすることにした。Monotonyは、平 均値を標準偏差で除した値で求めることができ、トレーニングの単調さやメリハリのあるト レーニングが実行できているかを確認する指標である。その指標を使って、ランニング量とラ ンニング強度をGPSから取得し、評価をしていく。また、サッカー選手...
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Published in | Conference Proceedings of Japan Society of Scientific Coaching forTraining Vol. 2022; p. 9 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本トレーニング指導学会
2022
Japan Society of Scientific Coaching for Training |
Online Access | Get full text |
ISSN | 2433-7773 2434-3323 |
DOI | 10.32171/cpjssct.2022.0_9 |
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Summary: | 【トレーニング現場へのアイデア】Jリーグでの試合期では、通常6日間から7日間の間隔で試合
を迎える。試合期のトレーニング計画は週単位で行い、4日間のトレーニングで試合に臨むこ
とを理想とするチームが多い。本報告では、試合期での4日間のトレーニングモデルを計画す
るにあたりMonotonyを使用し、トレーニング評価、見直しをすることにした。Monotonyは、平
均値を標準偏差で除した値で求めることができ、トレーニングの単調さやメリハリのあるト
レーニングが実行できているかを確認する指標である。その指標を使って、ランニング量とラ
ンニング強度をGPSから取得し、評価をしていく。また、サッカー選手におけるGPSの活用は近
年数多く報告されているが、GPSの活用は試合やトレーニングにおけるトラッキングデータだ
けではない。試合でのトラッキングデータを基準に、トレーニングの評価、見直しをすること
がトレーニング指導には大切なことである。試合期のトレーニングでは、より効果的に効率よ
くトレーニングを行うことが望ましい中で技術、戦術、フィットネスを同時に高めていくトレー
ニングを実行していく。その効果、効率を高めるための指標としてMonotonyの有効性や可能性
について提言する。【背景と目的】エリートサッカー選手における試合期のトレーニング負荷
とコンディション指標について客観的データを活用した報告は少ない。そこで試合期のトレー
ニングについてランニング量と強度をMonotonyで評価し、その手段の有効性について検討する
ことを目的とした。【対象者または対象チーム】対象は、J1リーグに所属するプロサッカー選
手でフィールド選手33名(年齢:26.9±5.1歳、身長:177.9±7.5cm、体重:75.5±8.1kg)とした。
対象期間は、2021年2月から2022年10月までの2シーズンの試合期のデータとした。また、使用
するGPSはCatapult社製のVector S7(10Hz)を使用した。【測定手順及び分析方法】分析方法は、
GPSでの測定において1分間当たりの移動距離をランニング量、時速14km以上の距離%をランニ
ング強度、時速2km以下の時間%を歩行及び静止時間とし、3つの測定項目で試合までの4日間の
トレーニングに単調さがないかをMonotonyで評価した。また、各Monotonyの指数から平均値と
標準偏差を利用して5段階評価表を作成し、トレーニング計画や評価の有効性について検討し
た。【結果】4日間の平均トレーニング時間は298.5±31.2分であった。また、4日間のトレーニ
ングでの1分間当たりの移動距離の最大負荷平均は133.7±18.6m、最小負荷平均は33.0±8.2m
でMonotonyが2.6±0.4であった。時速14km以上の距離%は、最大負荷平均が32.7±6.9%、最小
負荷平均が1.7±2.9%でMonotonyが1.7±0.4であった。時速2km以下の時間%の最大負荷平均は
6.8±3.0%、最小負荷平均が70.4±8.6%でMonotonyが1.4±0.2であった。【考察】Monotonyの指
標からトレーニング計画やトレーニングにおける評価基準を作成するには、蓄積したデータか
ら5段階評価表を作成することでトレーニング負荷に単調さ(偏り)がないかを予測し、評価で
きることが示唆された。 |
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ISSN: | 2433-7773 2434-3323 |
DOI: | 10.32171/cpjssct.2022.0_9 |