膜型人工肺QUANTUM HF-6700の臨床使用経験 膜型人工肺CAPIOX SX-18Rとの比較

今回我々は,新しいBARD社製膜型人工肺QUANTUM HF-6700(QUANTUM)を使用する機会を得たので,従来から使用しているCAPIOX-SX18R(CAPIOX)と,ガス交換能,白血球数,血小板数,CH50,Free-Hbおよび操作性について比較検討した。その結果,ガス交換能は,両人工肺とも良好で安定していた。また,体外循環中の血液成分の変化,および補体の活性化にも有意差は見られなかった。操作性については,QUANTUMの方がCAPIOXよりプライミング時の気泡除去が容易であり,プライミング時間の短縮ができたが,リサーキュレーション時のレベル変動が大きく,静脈リザーバーの最低貯血容...

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Published in体外循環技術 Vol. 26; no. 1; pp. 43 - 46
Main Authors 福田, 勇司, 原, 敏郎, 島本, 健, 洞井, 和彦, 青田, 正樹, 添田, 健, 松田, 光彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本体外循環技術医学会 25.02.1999
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Summary:今回我々は,新しいBARD社製膜型人工肺QUANTUM HF-6700(QUANTUM)を使用する機会を得たので,従来から使用しているCAPIOX-SX18R(CAPIOX)と,ガス交換能,白血球数,血小板数,CH50,Free-Hbおよび操作性について比較検討した。その結果,ガス交換能は,両人工肺とも良好で安定していた。また,体外循環中の血液成分の変化,および補体の活性化にも有意差は見られなかった。操作性については,QUANTUMの方がCAPIOXよりプライミング時の気泡除去が容易であり,プライミング時間の短縮ができたが,リサーキュレーション時のレベル変動が大きく,静脈リザーバーの最低貯血容量が300ml に設定されているため,全体のプライミング量は多かった。以上のことよりQUANTUMは,CAPIOX同様良好な人工肺と考えられたが,静脈リザーバーは今後の改良が望まれる。
ISSN:0912-2664
1884-5452
DOI:10.7130/hokkaidoshakai.26.43