エンドトキシン急性肺損傷における生理学的, 血液学的指標値の変化 -量反応関係について

モルモットにエンドトキシン (LPS) を静脈内投与して急性肺損傷を発生させ, 投与量と生理学的, 血液学的指標値の変化との関連を検討した. LPS投与量は0.2μg/kg, 2μg/kg, 20μg/kg, 200μg/kg, 2000μg/kgの5段階とした. 6時間後に肺組織の採取と気管支肺胞洗浄 (BAL) を行った. 125I標識アルブミンの肺組織への漏出は2000μg/kg投与群でのみ対照群に比べて高値を示した. これに対してBAL3液中の125I標識アルブミンは2μg/kg群から高値を示した. 肺湿乾重量比は200μg/kg, 2000μg/kg投与群で高値を示した. 末梢血好中...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本胸部疾患学会雑誌 Vol. 31; no. 1; pp. 51 - 58
Main Authors 藤田, 浩文, 横山, 哲朗, 石坂, 彰敏, 鈴木, 幸男, 金沢, 実, 川城, 丈夫
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 社団法人 日本呼吸器学会 1993
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0301-1542
1883-471X
DOI10.11389/jjrs1963.31.51

Cover

More Information
Summary:モルモットにエンドトキシン (LPS) を静脈内投与して急性肺損傷を発生させ, 投与量と生理学的, 血液学的指標値の変化との関連を検討した. LPS投与量は0.2μg/kg, 2μg/kg, 20μg/kg, 200μg/kg, 2000μg/kgの5段階とした. 6時間後に肺組織の採取と気管支肺胞洗浄 (BAL) を行った. 125I標識アルブミンの肺組織への漏出は2000μg/kg投与群でのみ対照群に比べて高値を示した. これに対してBAL3液中の125I標識アルブミンは2μg/kg群から高値を示した. 肺湿乾重量比は200μg/kg, 2000μg/kg投与群で高値を示した. 末梢血好中球数はLPSの投与量に関わらず投与後速やかに減少した. 組織学的に検討した1肺胞あたりの好中球数もLPS投与量にかかわらず高値を示した. BAL液中の好中球数は20μg/kg以上のLPS投与群で高値を示した. 指標によりその変化を惹起するLPS量が異なることがわかった.
ISSN:0301-1542
1883-471X
DOI:10.11389/jjrs1963.31.51