気管支脂肪腫の1手術例
症例は35歳, 男性で, 持続する咳嗽と繰り返す発熱で来院した.気管支鏡検査で右B3入口部にB3内腔を閉塞する隆起性病変を認め, 生検で炎症性結節と考えたが, 悪性腫瘍を否定できず, 右上葉切除を行った.腫瘍の割面では気管支外に発育の主体を有する1.8×2.3cm大の黄色調の腫瘤であった.切除標本の病理組織学的検索では腫瘤は正常気管支粘膜に覆われ, 大部分が成熟した脂肪細胞からなり, 気管支脂肪腫と診断された.気管支脂肪腫は稀な疾患とされている.本症は良性腫瘍であるから, YAGレーザーや高周波スネアによる内視鏡的切除が有効と思われるが, 本例のように気管支外発育を示す症例もあり, その適応に...
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Published in | 北関東医学 Vol. 45; no. 4; pp. 339 - 343 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | English Japanese |
Published |
北関東医学会
01.07.1995
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0023-1908 1883-6135 |
DOI | 10.2974/kmj1951.45.339 |
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Summary: | 症例は35歳, 男性で, 持続する咳嗽と繰り返す発熱で来院した.気管支鏡検査で右B3入口部にB3内腔を閉塞する隆起性病変を認め, 生検で炎症性結節と考えたが, 悪性腫瘍を否定できず, 右上葉切除を行った.腫瘍の割面では気管支外に発育の主体を有する1.8×2.3cm大の黄色調の腫瘤であった.切除標本の病理組織学的検索では腫瘤は正常気管支粘膜に覆われ, 大部分が成熟した脂肪細胞からなり, 気管支脂肪腫と診断された.気管支脂肪腫は稀な疾患とされている.本症は良性腫瘍であるから, YAGレーザーや高周波スネアによる内視鏡的切除が有効と思われるが, 本例のように気管支外発育を示す症例もあり, その適応には注意を要する. |
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ISSN: | 0023-1908 1883-6135 |
DOI: | 10.2974/kmj1951.45.339 |