男子淋菌性尿道炎の治療 SpectinomycinのOne shot療法について
男子淋菌性尿道炎は, いうまでもなく性病の1つでゐり,Neisseria gonorrhoeaeの感染である。性病は忌むべきものであり, 根絶されるべき疾患ではあるが, その患者数は減少していない。一方, 化学療法という立場からは, 症状が顕著で, 起炎菌が単一な本症は, 化学療法剤の効果判定にはきわあて都合がよい1)。 しかし, 本症にたいしてPonicillinが初期に示したような画期的な治療効果は得難くなり, Ponicillinにたいする本菌の感受性の低下が指摘されるとともに2), Penicillinによるアナフイラキシー・ショックのために, 第1線病院において, 本症にたいしてPe...
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Published in | The Japanese Journal of Antibiotics Vol. 29; no. 10; pp. 928 - 932 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
25.10.1976
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Summary: | 男子淋菌性尿道炎は, いうまでもなく性病の1つでゐり,Neisseria gonorrhoeaeの感染である。性病は忌むべきものであり, 根絶されるべき疾患ではあるが, その患者数は減少していない。一方, 化学療法という立場からは, 症状が顕著で, 起炎菌が単一な本症は, 化学療法剤の効果判定にはきわあて都合がよい1)。 しかし, 本症にたいしてPonicillinが初期に示したような画期的な治療効果は得難くなり, Ponicillinにたいする本菌の感受性の低下が指摘されるとともに2), Penicillinによるアナフイラキシー・ショックのために, 第1線病院において, 本症にたいしてPenicillinが使用される機会が著るしく減じている。それにつれて, 他の抗菌薬剤が使用される機会が多くなつている。 欧米では, 本症にたいしてPenicillin3), Tetracycline系薬剤4) の1回投与療法が試みられている。最近, われわれも男子の急性淋菌性尿道炎にたいしてSpectinomycin 2g 1回筋注療法を試みたので, その成績について報告する。 Spectinomycinは, 1961年米国アップジョン社のMASONらによつてStreptomyces spectabilis NRRL 2792の培養炉液から発見されたアミノサイクリトール抗生物質であり, Fig.1のような構造式をもつ。 |
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ISSN: | 0368-2781 2186-5477 |
DOI: | 10.11553/antibiotics1968b.29.928 |