キャリア支援者の職業的発達を促す 教育プログラムの開発と効果に関する一考察 大学での取り組みに基づくケース報告
キャリア支援者が自身や専門性をふりかえり,自身のキャリア形成に関する意識や行動を深めること,ひいては支援者自身の職業的発達を促すことをねらいとした。そのための教育プログラムを構成し,受講を通した受講生の意識面や行動面の変化を検討することを目的とした。A大学において,集合形式での講義5 回と個別面談3回を組み合わせたプログラム(計8 回,34.5時間)が検討され,2022 年1月から3月にリアルタイムオンライン形式で試行実施された。機縁法により集められた受講協力者は15 名であった(女性12 名・男性3 名,全員キャリアコンサルタント国家資格者)。プログラム全体を通した理解度は平均4.6(SD:...
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Published in | キャリア・カウンセリング研究 Vol. 26; no. 1; pp. 22 - 30 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本キャリア・カウンセリング学会
30.09.2024
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Subjects | |
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ISSN | 2436-4088 |
DOI | 10.34512/careercounseling.26.1_22 |
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Summary: | キャリア支援者が自身や専門性をふりかえり,自身のキャリア形成に関する意識や行動を深めること,ひいては支援者自身の職業的発達を促すことをねらいとした。そのための教育プログラムを構成し,受講を通した受講生の意識面や行動面の変化を検討することを目的とした。A大学において,集合形式での講義5 回と個別面談3回を組み合わせたプログラム(計8 回,34.5時間)が検討され,2022 年1月から3月にリアルタイムオンライン形式で試行実施された。機縁法により集められた受講協力者は15 名であった(女性12 名・男性3 名,全員キャリアコンサルタント国家資格者)。プログラム全体を通した理解度は平均4.6(SD:.17),有意義度は平均4.8(SD:.14),満足度は平均4.9(SD:.3)であった。終了時の感想に関する自由回答は,KJ法の援用で分析され7小分類・2中分類として整理され,「多様な領域への理解の深まり」「キャリア支援に関する視野の拡大」「ビジョンや今後の行動がより明確に」等が抽出された。プログラム開始時・終了時,終了3か月後の3時点で無記名式のWeb調査も実施された。全時点回答者11名の結果を用い平均値の差を検討した結果,学習態度,支援者としての意識面・行動面,キャリアカウンセリング自己効力感の各尺度で,開始時より終了3 か月後が有意に高い結果であった。 |
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ISSN: | 2436-4088 |
DOI: | 10.34512/careercounseling.26.1_22 |