当科におけるラジオ波焼灼療法 (RFA) 後の門脈血栓症について
当科における肝腫瘍に対するラジオ波焼灼療法 (RFA) 後の, 門脈血栓症の現状について検討した.約8年間, 388症例657件1012回のRFA後に施行した腹部ダイナミックCTで, 門脈血栓を認めた症例は, 4例4件で0.61%であった.門脈血栓症をきたした4症例の背景肝疾患, 血液検査結果, 腫瘍占拠部位, 門脈血栓発生部位に一定の傾向は認めなかった.血栓の溶解が不十分な症例, 血栓が再発する症例は, PEIT併用例, 血栓溶解後の維持療法を行わなかった例であった.AT-III製剤+低分子ヘパリンを使用した1例も, 十分な血栓溶解効果が得られなかった.今後は, RFA後門脈血栓症に対して,...
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Published in | 日本門脈圧亢進症学会雑誌 Vol. 14; no. 2; pp. 142 - 147 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本門脈圧亢進症学会
2008
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ISSN | 1344-8447 2186-6376 |
DOI | 10.11423/jsph1999.14.2_142 |
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Summary: | 当科における肝腫瘍に対するラジオ波焼灼療法 (RFA) 後の, 門脈血栓症の現状について検討した.約8年間, 388症例657件1012回のRFA後に施行した腹部ダイナミックCTで, 門脈血栓を認めた症例は, 4例4件で0.61%であった.門脈血栓症をきたした4症例の背景肝疾患, 血液検査結果, 腫瘍占拠部位, 門脈血栓発生部位に一定の傾向は認めなかった.血栓の溶解が不十分な症例, 血栓が再発する症例は, PEIT併用例, 血栓溶解後の維持療法を行わなかった例であった.AT-III製剤+低分子ヘパリンを使用した1例も, 十分な血栓溶解効果が得られなかった.今後は, RFA後門脈血栓症に対して, warfarinを使用するか, AT-HI+低分子ヘパリン併用療法が必要であるか否か, 並びに維持療法の必要性については, さらなる検討が必要と考えられた. |
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ISSN: | 1344-8447 2186-6376 |
DOI: | 10.11423/jsph1999.14.2_142 |