高齢者における咀嚼能力についての研究 有歯顎者と義歯使用者との比較
目的: 高齢の有歯顎者と義歯使用者の咀嚼能力を複数の評価法にて比較検討することである. 方法: 高齢の有歯顎者と義歯使用者各23名ずつを被験者とした.両群の咀嚼能力は, 人工試料カプセル咀嚼による咀嚼能力, オクルーザルフォースメータ®による最大咬合力, デンタルプレスケール®による咬合力と咬合接触面積, 摂取可能食品アンケートを用いて評価を行った. 結果: 有歯顎群と義歯使用群の人工試料カプセルによる習慣性咀嚼側の咀嚼能力の平均値は8.41×10-2J, 1.53×10-2Jであった.両群ともに習慣性と非習慣性咀嚼側の値に統計学的有意差は認められなかった.オクルーザルフォースメータ®による習...
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Published in | 日本補綴歯科学会雑誌 Vol. 47; no. 5; pp. 779 - 786 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
社団法人 日本補綴歯科学会
10.12.2003
日本補綴歯科学会 |
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Summary: | 目的: 高齢の有歯顎者と義歯使用者の咀嚼能力を複数の評価法にて比較検討することである. 方法: 高齢の有歯顎者と義歯使用者各23名ずつを被験者とした.両群の咀嚼能力は, 人工試料カプセル咀嚼による咀嚼能力, オクルーザルフォースメータ®による最大咬合力, デンタルプレスケール®による咬合力と咬合接触面積, 摂取可能食品アンケートを用いて評価を行った. 結果: 有歯顎群と義歯使用群の人工試料カプセルによる習慣性咀嚼側の咀嚼能力の平均値は8.41×10-2J, 1.53×10-2Jであった.両群ともに習慣性と非習慣性咀嚼側の値に統計学的有意差は認められなかった.オクルーザルフォースメータ®による習慣性咀嚼側での臼歯部の最大咬合力の平均値は, 有歯顎群418.91N, 義歯使用群74.67Nであった.両群ともに習慣性咀嚼側と非習慣性咀嚼側の値に有意な差は認められなかった.デンタルプレスケール®の咬合力は, 有歯顎群286.35N, 義歯使用群21.09N, デンタルプレスケール®の咬合接触面積は, 有歯顎群48.32mm2, 義歯使用群3.36mm2, 摂取可能食品アンケートによるスコアは, それぞれ95.63, 68.19であった. 結論: すべての評価法で, 咀嚼能力は有歯顎者が義歯使用者を上回った.客観的評価法 (人工試料カプセル, オクルーザルフォースメータ®, デンタルプレスケール®) では, 有歯顎者は義歯使用者の6.2から14.4倍の咀嚼能力を示し, 主観的評価法 (摂取可能食品アンケート) ではスコア値は1.4倍を示した. |
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ISSN: | 0389-5386 1883-177X |
DOI: | 10.2186/jjps.47.779 |