腸回転異常症と肝部下大静脈欠損症を合併した食道癌の1切除例

症例は48歳の男性で,検診にて食道癌を指摘され,手術目的で当科入院となった.術前精査の胸腹部造影CTで,腸回転異常および肝部下大静脈欠損・奇静脈拡張・多脾症等の解剖学的異常を認めた.手術は,胸部食道全摘出術+D2郭清・脾臓摘出術,胸骨後経路胃管再建術(頸部吻合)を行い,術後経過は良好で術後32日目に退院した.腸回転異常症は種々の血管異常を合併することがあり,しばしば手術困難であった例が報告されている.今回,我々は,腸回転異常症・血管走行異常を合併した食道癌の1切除例を経験したので報告する....

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 44; no. 8; pp. 955 - 962
Main Authors 安武, 亨, 富永, 哲郎, 永安, 武, 七島, 篤志, 澤井, 照光, 田口, 恒徳, 日高, 重和, 田中, 研次
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 01.08.2011
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ISSN0386-9768
1348-9372
DOI10.5833/jjgs.44.955

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Summary:症例は48歳の男性で,検診にて食道癌を指摘され,手術目的で当科入院となった.術前精査の胸腹部造影CTで,腸回転異常および肝部下大静脈欠損・奇静脈拡張・多脾症等の解剖学的異常を認めた.手術は,胸部食道全摘出術+D2郭清・脾臓摘出術,胸骨後経路胃管再建術(頸部吻合)を行い,術後経過は良好で術後32日目に退院した.腸回転異常症は種々の血管異常を合併することがあり,しばしば手術困難であった例が報告されている.今回,我々は,腸回転異常症・血管走行異常を合併した食道癌の1切除例を経験したので報告する.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.44.955