妊娠授乳関連骨粗鬆症により出産後2ヵ月時に胸椎圧迫骨折をきたした一症例 心理的側面に着目して

【目的】妊娠および出産に伴い発症する骨粗鬆症は妊娠授乳関連骨粗鬆症(Pregnancy and lactation-associated osteoporosis:PLO)と呼ばれ,比較的稀な病態であり,いまだ不明な点が多く,治療法は確立されていない。本症例報告の目的はPLOを背景とする脊椎圧迫骨折症例に対して,機能解剖を考慮した理学療法に加え,心理的側面にも比重を置くことについての重要性を検討することにある。【方法】出産後2ヵ月時に胸椎圧迫骨折を呈した症例に対して,身体機能面のみならず,恐怖心の改善を目的とした教育,介入を行った。【結果】痛みは経過とともに改善し,新規骨折も起こらずに8ヵ月間...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inウィメンズヘルス・メンズヘルス理学療法学 Vol. 2; pp. 30 - 36
Main Authors 河原, 忠司, 赤羽根, 良和, 山川, 尋
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ウィメンズヘルス・メンズヘルス理学療法研究会 2025
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:【目的】妊娠および出産に伴い発症する骨粗鬆症は妊娠授乳関連骨粗鬆症(Pregnancy and lactation-associated osteoporosis:PLO)と呼ばれ,比較的稀な病態であり,いまだ不明な点が多く,治療法は確立されていない。本症例報告の目的はPLOを背景とする脊椎圧迫骨折症例に対して,機能解剖を考慮した理学療法に加え,心理的側面にも比重を置くことについての重要性を検討することにある。【方法】出産後2ヵ月時に胸椎圧迫骨折を呈した症例に対して,身体機能面のみならず,恐怖心の改善を目的とした教育,介入を行った。【結果】痛みは経過とともに改善し,新規骨折も起こらずに8ヵ月間経過したが,その時点でも動きに対する恐怖心の評価はカットオフ値を下回ることはなかった。【結論】PLOを背景とする脊椎圧迫骨折症例に対して,通常の理学療法に加え,心理面に対する教育,配慮は必須であり,多面的な介入を継続的に行うことで疼痛軽減,新規骨折の予防,恐怖心の軽減を図っていく必要があると考えた。
ISSN:2759-4386
DOI:10.69171/jwhmhpt.jwhmhpt202403