卵巣転移で発見された若年者直腸S状部印環細胞癌の1例
症例は28歳の女性で,下腹部痛を主訴に当院救急外来受診した.視触診で腹部に小児頭大の腫瘤があり,CTで骨盤腔に巨大な腫瘤とともに右胸水,腹水貯留,直腸S状部(rectosigmoid;以下,RSと略記)の壁肥厚を認めた.下部消化管内視鏡検査でRSに全周性狭窄病変を認め,RS癌+卵巣腫瘍の診断で直腸高位前方切除術と両側卵管卵巣摘除術を施行した.術中腹膜播種を認め,病理組織学的診断はRS印環細胞癌両側卵巣転移(RS,circ,type4,pSE,ly3,v3,pN2,sH0,pP2,pM1,fStageIV)であった.術後外来にて全身化学療法施行していたが,術後12か月で癌性腹膜炎を発症し,術後1...
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Published in | 日本消化器外科学会雑誌 Vol. 44; no. 3; pp. 325 - 330 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器外科学会
01.03.2011
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ISSN | 0386-9768 1348-9372 |
DOI | 10.5833/jjgs.44.325 |
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Summary: | 症例は28歳の女性で,下腹部痛を主訴に当院救急外来受診した.視触診で腹部に小児頭大の腫瘤があり,CTで骨盤腔に巨大な腫瘤とともに右胸水,腹水貯留,直腸S状部(rectosigmoid;以下,RSと略記)の壁肥厚を認めた.下部消化管内視鏡検査でRSに全周性狭窄病変を認め,RS癌+卵巣腫瘍の診断で直腸高位前方切除術と両側卵管卵巣摘除術を施行した.術中腹膜播種を認め,病理組織学的診断はRS印環細胞癌両側卵巣転移(RS,circ,type4,pSE,ly3,v3,pN2,sH0,pP2,pM1,fStageIV)であった.術後外来にて全身化学療法施行していたが,術後12か月で癌性腹膜炎を発症し,術後13か月原病死した. |
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ISSN: | 0386-9768 1348-9372 |
DOI: | 10.5833/jjgs.44.325 |