臨床実習におけるストレス感情の経時的変化の検討 鹿大版CSQによる

本研究の目的は,Paganaの臨床実習用ストレス質問紙(以下CSQ)の日本語による改訂版である鹿大版CSQを用いて,学生の臨床実習に対する脅威・挑戦・有害に関するストレスの感情の変化を検討することであった。   鹿大版CSQは,ストレス感情(脅威,挑戦,有害)を測定する17の質問項目によって構成され,各項目に5段階評定尺度で答えるように作成されている。   対象の看護学生は,1病棟3週間,計7回のローテーションで成人看護学実習を行なったが,CSQはローテーションの1・3・5番目の実習時期において,各実習初日と各週の木曜日の4回,計12回これを2年間にわたって実施された。   本CSQの因子分析...

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Published in日本看護研究学会雑誌 Vol. 17; no. 4; pp. 4_27 - 4_38
Main Author 堤, 由美子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本看護研究学会 01.12.1994
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Summary:本研究の目的は,Paganaの臨床実習用ストレス質問紙(以下CSQ)の日本語による改訂版である鹿大版CSQを用いて,学生の臨床実習に対する脅威・挑戦・有害に関するストレスの感情の変化を検討することであった。   鹿大版CSQは,ストレス感情(脅威,挑戦,有害)を測定する17の質問項目によって構成され,各項目に5段階評定尺度で答えるように作成されている。   対象の看護学生は,1病棟3週間,計7回のローテーションで成人看護学実習を行なったが,CSQはローテーションの1・3・5番目の実習時期において,各実習初日と各週の木曜日の4回,計12回これを2年間にわたって実施された。   本CSQの因子分析では,「脅威」「挑戦」「有害」の3つの因子が確認された。病棟実習の経過で見ると,「脅威」の平均値は,実習初日が最も高くその後順次減少していた。また「挑戦」は,実習初日が高く1週目木から3週目木まで変化しなかった。さらに「有害」は,全ての調査の段階で低く変化していなかった。実習全期の経過で見ると,「脅威」・「挑戦」の平均値は1番目のローテーションの時が最も高く,その後は減少したまま変化しなかった。「有害」はローテーションの間変化しなかった。
ISSN:2188-3599
2189-6100
DOI:10.15065/jjsnr.19940901003