肝疾患におけるCTの有用性 CTとシンチグラフィーの比較検討

各種諸検査により診断のついた肝疾患77例について, CT像とシンチグラフィー像を比較し検討した.原発性肝癌12例, 転移性肝癌21例, 肝のう腫15例の肝腫瘤性病変において, シンチグラムでは, 三疾患共通して70数%, CTでは90%以上にその存在を認め, CTの方がシンチグラムよりすぐれていた.シンチグラムでは, 腫瘤の大きさが小さいものでは, RI分布不均一と誤認したり, 病変が肝辺縁部に存在するものでは, 肝形態変化として誤りやすかった.CTでは, 原発性肝癌転移性肝癌との鑑別が困轍症例カミあり, 肝にビ漫浸潤したものは, densityの差としてとらえがたく, 見逃がされるものもあっ...

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Published in昭和医学会雑誌 Vol. 41; no. 4; pp. 469 - 474
Main Authors 滝沢, 謙治, 広野, 良定, 後閑, 武彦, 伊藤, 真一, 小松, 隆, 篠塚, 明, 前田, 陽一, 高橋, 久男, 平林, 晋一, 菱田, 豊彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 昭和大学学士会 28.08.1981
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Summary:各種諸検査により診断のついた肝疾患77例について, CT像とシンチグラフィー像を比較し検討した.原発性肝癌12例, 転移性肝癌21例, 肝のう腫15例の肝腫瘤性病変において, シンチグラムでは, 三疾患共通して70数%, CTでは90%以上にその存在を認め, CTの方がシンチグラムよりすぐれていた.シンチグラムでは, 腫瘤の大きさが小さいものでは, RI分布不均一と誤認したり, 病変が肝辺縁部に存在するものでは, 肝形態変化として誤りやすかった.CTでは, 原発性肝癌転移性肝癌との鑑別が困轍症例カミあり, 肝にビ漫浸潤したものは, densityの差としてとらえがたく, 見逃がされるものもあった.肝のう腫では, 鮮明な円形の低吸収域として認められ, CTが非常に有効であった.肝硬変20例, 肝炎9例のビ漫性肝疾患においては, CTでは病的所見に乏しく, シンチグラムの方がすぐれていた.また, 両検査併用すると, 診断率は向上し, 有効であった.
ISSN:0037-4342
2185-0976
DOI:10.14930/jsma1939.41.469