小脳橋角部周辺頭蓋底腫瘍への6つのアプローチ 小脳橋角部腫瘍, 聴神経腫瘍に対する神経機能温存手術

小脳橋角部周辺の頭蓋底病変は, その病変の主座と隣接する脳神経の種類から, 傍三叉神経領域, 傍聴神経 (蝸牛神経) 領域, 傍嚥下神経領域の3つに分類できる。これらの3領域にそれぞれ最も適切な頭蓋底手術アプローチが2つずつあり, これらの6つの基本アプローチを組み合わせることで, すべての小脳橋角部周辺の頭蓋底外科手術のための術野が得られる。脳幹と頭蓋底を結ぶ脳神経は, 過度のストレス損傷を一定時間に一定以上受けると再生しない。我々は神経機能を最大限に維持するために, 術中に持続神経機能モニタリングを併用した神経機能温存手術をチームアプローチによって行っている。安全で確実なアプローチと, 信...

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Published in耳鼻咽喉科展望 Vol. 52; no. 2; pp. 96 - 104
Main Authors 中冨, 浩文, 宮崎, 日出海
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻咽喉科展望会 2009
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Summary:小脳橋角部周辺の頭蓋底病変は, その病変の主座と隣接する脳神経の種類から, 傍三叉神経領域, 傍聴神経 (蝸牛神経) 領域, 傍嚥下神経領域の3つに分類できる。これらの3領域にそれぞれ最も適切な頭蓋底手術アプローチが2つずつあり, これらの6つの基本アプローチを組み合わせることで, すべての小脳橋角部周辺の頭蓋底外科手術のための術野が得られる。脳幹と頭蓋底を結ぶ脳神経は, 過度のストレス損傷を一定時間に一定以上受けると再生しない。我々は神経機能を最大限に維持するために, 術中に持続神経機能モニタリングを併用した神経機能温存手術をチームアプローチによって行っている。安全で確実なアプローチと, 信頼度の高い術中モニタリングを使用することにより, これまでの小脳橋角部周辺の頭蓋底手術において, 恒久的な脳神経麻痺, 手足の麻痺はほとんど経験していない。
ISSN:0386-9687
1883-6429
DOI:10.11453/orltokyo.52.96