数理・データサイエンス・AI 教育プログラムの実状 2021年度リテラシーレベル認定78校の事例から

リテラシーレベルの数理・データサイエンス・AI 教育プログラム認定制度(MDASH)に注目し,2021年8月までに認定された78校の教育プログラムを調査した結果,次の4点が明らかになった.(1)各校のカリキュラム編成は,あらかじめ指定した授業科目を履修させる形態のものが最も多かったが,多くは既存の特定の科目を履修させるものであった.(2)修了要件は,2~4単位が最も多かったが,1~24単位まで幅があった.同じ認定制度でありながら各校の修了要件に差があることは,公平性の観点で懸念すべきことである.(3)データ分析の学習手段は,大半の学校で表計算ソフトウェアを用いていることが判明した.この結果は高...

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Published in日本教育工学会論文誌 Vol. 47; no. 2; pp. 333 - 342
Main Author 新原, 俊樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本教育工学会 20.06.2023
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ISSN1349-8290
2189-6453
DOI10.15077/jjet.46095

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Summary:リテラシーレベルの数理・データサイエンス・AI 教育プログラム認定制度(MDASH)に注目し,2021年8月までに認定された78校の教育プログラムを調査した結果,次の4点が明らかになった.(1)各校のカリキュラム編成は,あらかじめ指定した授業科目を履修させる形態のものが最も多かったが,多くは既存の特定の科目を履修させるものであった.(2)修了要件は,2~4単位が最も多かったが,1~24単位まで幅があった.同じ認定制度でありながら各校の修了要件に差があることは,公平性の観点で懸念すべきことである.(3)データ分析の学習手段は,大半の学校で表計算ソフトウェアを用いていることが判明した.この結果は高等学校での情報教育の実状を受けたものと考えられる.(4)先導的なプログラムに選定されるには,授業内容や学生への学習支援より,明確な枠組みの中で推進される地域連携や産業界連携の取組が評価される傾向があった.
ISSN:1349-8290
2189-6453
DOI:10.15077/jjet.46095