従業員エンゲージメント向上に関する一考察 タイ日系製造業のホワイトカラーとブルーカラーを対象に

海外展開する多くの日系企業が日本とは異なる文化や人事制度などに相対し、現地人材のマネジメントにおいて様々な課題に直面していると言われるが、従業員エンゲージメントに影響を及ぼす心理的要因は何であろうか。本論文ではタイ日系製造業のホワイトカラーとブルーカラーを対象にオンラインの質問紙調査を実施し、重回帰分析によって従業員エンゲージメントに影響を及ぼす心理的要因を比較した。結論として、ホワイトカラーとブルーカラーでは共通点が多い一方で、相違点もあることが示された。共通点としては、共に意思決定への関与と自己成長への取り組み、ワークライフバランスが従業員エンゲージメントに正に影響を与える。一方、相違点と...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inイノベーション・マネジメント Vol. 22; pp. 349 - 367
Main Author 桶川, 理恵
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 法政大学イノベーション・マネジメント研究センター 31.03.2025
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1349-2233
2433-6971
DOI10.24677/riim.22.0_349

Cover

More Information
Summary:海外展開する多くの日系企業が日本とは異なる文化や人事制度などに相対し、現地人材のマネジメントにおいて様々な課題に直面していると言われるが、従業員エンゲージメントに影響を及ぼす心理的要因は何であろうか。本論文ではタイ日系製造業のホワイトカラーとブルーカラーを対象にオンラインの質問紙調査を実施し、重回帰分析によって従業員エンゲージメントに影響を及ぼす心理的要因を比較した。結論として、ホワイトカラーとブルーカラーでは共通点が多い一方で、相違点もあることが示された。共通点としては、共に意思決定への関与と自己成長への取り組み、ワークライフバランスが従業員エンゲージメントに正に影響を与える。一方、相違点としては、ブルーカラーのみ組織への一体化が従業員エンゲージメントに正の影響を与える。また、その結果を基に、タイの社会や文化、日系企業の特性が、両グループの従業員エンゲージメント向上の要因に影響していることを明らかにした。
ISSN:1349-2233
2433-6971
DOI:10.24677/riim.22.0_349