分子動力学法を用いた熱輸送解析:後退接触線の冷却現象

固体表面と気液界面の交線である接触線が移動する際,前進側と後退側で接触角が変化することが広く知られている.これに加えて,非平衡分子動力学解析(NEMD)により,前進接触線と後退接触線で生じる熱的な差が明らかになった.液体のバルクについては粘性散逸により発熱することが予想され,同様に前進接触線では温度が上昇する一方,後退接触線では予想に反して温度が低下することが示された.本文では,NEMDを用いた熱輸送解析手法,および,後退接触線での冷却メカニズムについて紹介する....

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Published inアンサンブル Vol. 26; no. 3; pp. 251 - 255
Main Author 楠戸 宏城
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 分子シミュレーション学会 31.07.2024
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ISSN1884-6750
1884-5088
DOI10.11436/mssj.26.251

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Summary:固体表面と気液界面の交線である接触線が移動する際,前進側と後退側で接触角が変化することが広く知られている.これに加えて,非平衡分子動力学解析(NEMD)により,前進接触線と後退接触線で生じる熱的な差が明らかになった.液体のバルクについては粘性散逸により発熱することが予想され,同様に前進接触線では温度が上昇する一方,後退接触線では予想に反して温度が低下することが示された.本文では,NEMDを用いた熱輸送解析手法,および,後退接触線での冷却メカニズムについて紹介する.
ISSN:1884-6750
1884-5088
DOI:10.11436/mssj.26.251