小論文と総合問題からのセンター試験得点率の推定 高知大学医学部医学科AO入試Ⅰの事例
大学入学者選抜において,選抜方法がアドミッションポリシーに沿った方法かどうかを明らかにすることは重要である。高知大学医学部医学科では,2段階選抜のAO入試Ⅰ(現,総合型選抜Ⅰ)を実施してきたが,これまで第1次選抜の小論文と総合問題の結果をほかの入試と比較することが出来ず,アドミッションポリシーで定める知識や思考力との整合性を確かめることが困難であった。この論文では,AO入試Ⅰの1次選抜の結果からセンター試験の得点率を推定する方法を提案する。この推定値をロジスティック回帰分析した結果,AO入試Ⅰの1次合格の確率が50%となるセンター試験得点率は82%であることがわかった。独自の入学者選抜から,信...
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Published in | 日本テスト学会誌 Vol. 19; no. 1; pp. 59 - 68 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本テスト学会
2023
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1880-9618 2433-7447 |
DOI | 10.24690/jart.19.1_59 |
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Summary: | 大学入学者選抜において,選抜方法がアドミッションポリシーに沿った方法かどうかを明らかにすることは重要である。高知大学医学部医学科では,2段階選抜のAO入試Ⅰ(現,総合型選抜Ⅰ)を実施してきたが,これまで第1次選抜の小論文と総合問題の結果をほかの入試と比較することが出来ず,アドミッションポリシーで定める知識や思考力との整合性を確かめることが困難であった。この論文では,AO入試Ⅰの1次選抜の結果からセンター試験の得点率を推定する方法を提案する。この推定値をロジスティック回帰分析した結果,AO入試Ⅰの1次合格の確率が50%となるセンター試験得点率は82%であることがわかった。独自の入学者選抜から,信頼性が高く,受験者が多いセンター試験の得点率を推定することは,アドミッションポリシーに基づく選抜方法の評価に有用であると結論する。 |
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ISSN: | 1880-9618 2433-7447 |
DOI: | 10.24690/jart.19.1_59 |