精神科コンサルテーション・リエゾンチームの効果の分析 フォーカスグループインタビューの結果から

当院における精神科CLTの活動の効果を明らかにするため,チーム成員の各職種(精神科医師1名,精神科看護師2名,臨床心理士1名,精神保健福祉士1名)に対して,「精神科コンサルテーション・リエゾンチームの効果として考えられること」をテーマにフォーカスグループインタビューを行った。インタビューの内容を遂語録におこし,データのカテゴリー化を行った。その結果,<CLTスタッフに対する効果>,<身体科病棟スタッフに対する効果>,<医療の質の向上>の3つのカテゴリーが抽出された。3つのカテゴリーから,さらにいくつかのサブカテゴリーが抽出された。その内容を以下に示す。1.<CLT スタッフに対する効果>は,さ...

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Published in総合病院精神医学 Vol. 25; no. 1; pp. 16 - 22
Main Authors 富安, 哲也, 上田, 将史, 井古田, 大介, 大上, 俊彦, 小石川, 比良来
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本総合病院精神医学会 15.01.2013
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ISSN0915-5872
2186-4810
DOI10.11258/jjghp.25.16

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Summary:当院における精神科CLTの活動の効果を明らかにするため,チーム成員の各職種(精神科医師1名,精神科看護師2名,臨床心理士1名,精神保健福祉士1名)に対して,「精神科コンサルテーション・リエゾンチームの効果として考えられること」をテーマにフォーカスグループインタビューを行った。インタビューの内容を遂語録におこし,データのカテゴリー化を行った。その結果,<CLTスタッフに対する効果>,<身体科病棟スタッフに対する効果>,<医療の質の向上>の3つのカテゴリーが抽出された。3つのカテゴリーから,さらにいくつかのサブカテゴリーが抽出された。その内容を以下に示す。1.<CLT スタッフに対する効果>は,さらに<精神的負担の軽減>,<円滑なコミュニケーション>に分類された。2.<精神的負担の軽減>は,<所属感>,<モチベーションの増加>,<客観的視点の獲得>に分類された。3.<円滑なコミュニケーション>は<病棟への入りやすさ>,<交渉のしやすさ>,<精神科の役割理解の向上>に分類された。4.<身体科病棟スタッフに対する効果>は,さらに<チームがあることの安心感>,<問題解決能力の向上>に分類された。5.<医療の質の向上>は,さらに<迅速な対応>,<多面的なアセスメント>,<質の保証>に分類された。 <精神科CLT スタッフに対する効果>があることで,持続的なリエゾン活動が行われ,それ以外の効果も促進される。今回あげられたカテゴリーは,どれも独立して存在するのではなく,それぞれの効果が他の効果を高め合う構造であると考えられる。
ISSN:0915-5872
2186-4810
DOI:10.11258/jjghp.25.16