小児水頭症に対する脳室腹腔シャントの統計学的分析 シャント生存期間に関連する諸因子の有意性

小児脳神経外科領域を専門とする全国の12施設より, 脳室-腹腔シャントを設置した18歳以下小児水頭症例に関する諸因子データを集計し, 統計学的分析を行った. 対象1,094件の作動期間を日数で算出し, シャント生存曲線を描いた. シャント不全を引き起こす関連因子を比較したところ, 感染既往ありと新生児期・乳児期での設置は有意にリスクが高く, 特に乳児期の設置例はシャント感染を引き起こしやすかった. シャント設置回数に関して, 有意に生存期間が短いのは初回設置例で, 予後のよいのは2回目設置例であった. システムごとのシャント不全発生率には有意差がなかったが, 閉塞箇所では脳室カテーテルの閉塞が...

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Published in脳神経外科ジャーナル Vol. 28; no. 4; pp. 188 - 196
Main Author 田代, 弦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科コングレス 2019
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ISSN0917-950X
2187-3100
DOI10.7887/jcns.28.188

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Summary:小児脳神経外科領域を専門とする全国の12施設より, 脳室-腹腔シャントを設置した18歳以下小児水頭症例に関する諸因子データを集計し, 統計学的分析を行った. 対象1,094件の作動期間を日数で算出し, シャント生存曲線を描いた. シャント不全を引き起こす関連因子を比較したところ, 感染既往ありと新生児期・乳児期での設置は有意にリスクが高く, 特に乳児期の設置例はシャント感染を引き起こしやすかった. シャント設置回数に関して, 有意に生存期間が短いのは初回設置例で, 予後のよいのは2回目設置例であった. システムごとのシャント不全発生率には有意差がなかったが, 閉塞箇所では脳室カテーテルの閉塞が最多であった.
ISSN:0917-950X
2187-3100
DOI:10.7887/jcns.28.188