酢酸セルロースーアクリル酸エステル系グラフトポリマーの二三の性質

酢酸セルロースーアクリル酸エステル系グラフト共重合体の機械的性質を, ポリマーブレンドと比較して検討した。検討した内容は, 1) 抗張力伸度の関係および分散性, 2) 熱的挙動, 3) 動的粘弾性の温度特性である。伸度に関して, グラフトポリマーではアクリレートの含有量の増加に従って増大するが, ポリマーブレンドではこのことは認められなかった。フィルムを偏光顕微鏡で観察したところグラフトポリマーの方が分散の状態は良好であった。グラフトポリマーの軟化点はアクリレートの含有量に比例して低下したが, ポリマーブレンドでは全く見られなかった。動的粘弾性の測定からグラフトポリマーにもポリマーブレンドにも...

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Published in高分子化學 Vol. 21; no. 236; pp. 750 - 754
Main Authors 内田, 豊, 半田, 良治, 井手, 文雄, 中塚, 和夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 高分子学会 25.12.1964
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ISSN0023-2556
1884-8079
DOI10.1295/koron1944.21.750

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Summary:酢酸セルロースーアクリル酸エステル系グラフト共重合体の機械的性質を, ポリマーブレンドと比較して検討した。検討した内容は, 1) 抗張力伸度の関係および分散性, 2) 熱的挙動, 3) 動的粘弾性の温度特性である。伸度に関して, グラフトポリマーではアクリレートの含有量の増加に従って増大するが, ポリマーブレンドではこのことは認められなかった。フィルムを偏光顕微鏡で観察したところグラフトポリマーの方が分散の状態は良好であった。グラフトポリマーの軟化点はアクリレートの含有量に比例して低下したが, ポリマーブレンドでは全く見られなかった。動的粘弾性の測定からグラフトポリマーにもポリマーブレンドにもそれぞれ酢酸セルロース, ポリアクリレートの二つの温度分散が見られた。その位置は両者の間に差はなかったが, グラフトポリマーのE'はポリマーブレンドのそれより常に低かった。
ISSN:0023-2556
1884-8079
DOI:10.1295/koron1944.21.750